性加害の報道と後ろ暗い感情

中居の性的暴行に端を発した、一連の性加害のニュースが世間を騒がせている。プロデューサーが被害者と加害者が2人きりになるように取り計らい、その結果性被害があったとされており、その被害者はまだ多くいるのではないかと疑われている。これを「性上納」「性接待」という言葉で報道する機関も増えてきたが、組織的レイプと表現するにふさわしい実態が、報道を通じて見えてきた。

この性加害の報道の前、被害者とされる女性は人気アナウンサーだったが突然入院し、やせ細った自身の写真をインスタに公表した。かなりげっそりと痩せてしまっており、嫌儲でも話題になっていた(嫌儲にはこの世の全てが記載されている)。20代中盤で入院、あの痩せようは癌や白血病のように思われたが、公表された病名はPTSDだった。流れ変わったな。

一般大衆でさえ「ん?」と思うのなら、当然週刊誌の記者が動く。コツコツと取材を続け、冒頭の性被害の報道につながった。その性被害の実態は明らかに組織ぐるみと言ってよく、プロデューサーが被害者と加害者を密室で2人きりになるように仕向けていた。また、被害を訴えたもののアナウンス部長に握りつぶされてしまったようだ。ほかにも、フジテレビではアナウンサーの体調不良が相次いでいた過去があり、余罪が疑われている状態である。外資系の大株主の突き上げもあり、社長会見が行われたものの、その内容はあまりにも不味く、爆弾を隠していることは誰の目にも明らかだった。第三者による調査委員会の設置にも後ろ向きで、弁護士や大手新聞からは疑義を呈される形となった。そして、トヨタを始めたとした多くのスポンサーがフジテレビから降り、現在フジテレビのCMはACだらけになっている。

過去には、フジテレビの番組内でダウンタウン・松本の性加害のニュースを報道しているさなか、アナウンサーが貧血のように倒れ込み、これがフラッシュバックなのではないかとネットで騒がれていた(もちろん、憶測の域は出ない)。

この一連の事件は、性被害の難しさを物語っている。そういった被害を受けたと公開することは、被害者にとって著しい苦痛をもたらし、また「そのような被害を受けた」というスティグマを押されることになる。著名な人であればあるほど被害を訴えることは苦痛を伴い、それゆえ示談で解決しようとし、それが加害の矮小化を目論む加害者の希望と合致してしまう。不同意性交罪は非親告罪になっているのだから、警察はより積極的に捜査に動き、刑法に基づいて裁きを下すべきではないかと思う。

ここまでは極めて正常で、クオリティ・ペーパーの記事のように素晴らしいものなわけだが、俺はこの一連のニュースを見ながら後ろ暗い感情を覚えずにはいられなかった。
女子アナといえば、容姿端麗・高学歴で、極めて優秀な女性の仕事である。ミスなんとか大学とかの属性を持った人が何百人と志望し、そのうちの1人が内定するような狭き門である。そういった女性は誰からも本命なので、粗末な扱いを受けたことは一度もないだろう。性行為など、自分を大切にしてくれるイケメンの彼氏としかしたことがないだろう(わかんないけど)。
おそらく、加害者たちはそのような"素人"の女性を踏みにじり、思うままに犯すことが楽しいんだと思う。普通に抱かせてくれるような女、金を払えば抱ける女などではなく、美しくて優秀で誰からもチヤホヤされてきて真っ当に育った女性を、自身の権力と男性器で支配し、壊し、蹂躙することにに快楽を感じるんだろう。こうして言語化していると、9割くらいは嫌悪、義憤の感情を抱くが、残りの1割で性的な興奮の感情を抱いてしまう。

どういうことをされたんだろう?被害を受けた女性はどういう感情だったんだろう?マッチョなコミュニティの中で流通する通貨として、人間性を持たない"モノ"として消費されるときに、どのような感情を抱いたんだろう?尊厳を否定され、今までされたことのないような扱いを受け、中年以上の加害者たちの性欲と支配欲を満たすためだけの肉塊として扱われたときの絶望はどういうものだったんだろう?彼女たちの体を貪りながら下品な声で笑う加害者たちと、被害者の目に浮かぶ涙が逞しい想像力によって想起され、心臓に後ろ暗い鼓動を感じる。

でも樋口円香みたいな女の子が、そういうふうに犯されてる同人誌みたいので抜きすぎて現実とフィクションの区別がつかなくなっちゃってる部分が一部あるんだよなぁ。いやでも、同人誌でもここまでのは中々ですよね。だいたい快楽墜ちとかで済ませますし。快楽墜ちって、女王の教室のエンディングがさわやかなダンスだったのと同じ形の締め方だと思ってます。

一連の報道で、自分の性欲の腫瘍みたいな部分を自覚させられるのであった。

おわり


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