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Lumix S9 + Lumix Lab レビュー 前編 - アプリが生み出す新しい可能性

今回、Panasonicがワークフローに組み入れたいコンパニオンアプリが作ってくれたことにエキサイトしてます。

これまでのカメラ用のコンパニオンアプリとの比較

これまで3−4社くらいのミラーレスを使い続けてきましたが、今までの他社アプリは、不安定な接続に我慢しながら、速度が遅くサイズ制約があったりする転送機能を行い、ケーブルを使えない場面で数枚の写真をSNSにアップする、という緊急避難的な使い道しかしてきませんでした。

新しいメーカーのカメラを買ったり、アプリがメジャーバージョンアップする度に、期待を持ってその会社のコンパニオンアプリを試してきましたが、結局は「転送だけならカードリーダーのほうが早いし・・・」という結論にいきついていました。

今回、画像転送やテザリング操作のためのアプリを超えて、初めてカメラ内のLUT管理、撮影画像の現像処理までを中心機能として実装してくれたLumix Labアプリには、今後のPCレスのカメラ運用や写真管理への可能性を感じていて、他社のコンパニオンアプリに対して以下のようなアドバンテージを持っているように思います。

まず接続が安定していること

S9とLumix Labアプリの組み合わせでも、アプリを立ち上げた状態で、カメラの電源オンからBluetooth接続までが7-8秒、その後の転送のためにカメラ内画像の一覧表示の開始まで10秒強かかります。

しかし、一度画像の表示が始まると、カメラ内の全画像をスクロールしていっても順次追従してくれて、ストレスなく画像チェックができます。

これだけ聞くと、一見とても遅く思えるのですが、これまでの他社カメラは同様の操作中に切断することが多かったですが、S9 + Lumix Labの組み合わせは10回連続で試しても一覧表示まで進むので、十分な実用性を感じました。

次に転送が速いこと

接続後、アプリからの画像選択の操作や選択画像の一括転送は速い。RAWファイルを送っても1枚5−6秒くらいで、セレクトした写真だけを10枚くらい送るなら十分実用的。

また不要なファイル形式制限や画像の矯正リサイズといった制約もないため、SNS投稿目的だけでなく、その後の印刷や写真管理などのワークフローにも繋げられそうな感じです。

そして、コンパニオンアプリ単体での現像処理が可能なこと

カメラからの転送した撮影画像はもちろん、スマホの写真アプリからギャラリーに取り込んだ画像に対しても、強度を調整しながらLUTの適用ができること、そして基本的な階調や色調補正処理だけでなく、トーンカーブや明暗部別色調調整・HSL調整などの機能があるということは、PCレスでの簡易現像環境といっていいと思います。

スマホとカメラだけでも高価なのに、その上にPCやサブスクのソフトウェアを購入し、それらを組み合わせた運用を覚えなくてはいけないというのは、カメラを始めた人にとっては大きなハードルだと思います。今回のアプリはそのあたりのハードルを下げてくれて、これから写真編集や発信を楽しみたい人達にとって大きなプラスでしょう。

最後に、カメラ側の設定カスタマイズをアプリでできること

これまでも、カメラ側の設定をバックアップできるアプリは使ったことがありましたが、コンパニオンアプリでカメラをカスタマイズできるアプリは使ったことがありませんでした。

カメラ上で背面液晶でメニューを操作するのは本当に面倒で、できれば避けたいことです。なので、こういった一部カメラ機能のカスタマイズやLUTのネットからのダウンロードなど、スマホやタブレットが効率的にできることはもっともっとコンパニオンアプリ側で可能にしてほしいと思います

そこに今回スマホとの親和性をバリューとしてアピールしているLumix S9とLumix Labは、大きなアドバンテージを見せてくれました。

期待の裏返しとしての不満点、以下次号

ただ、これだけのポテンシャルを感じていることに全くの嘘はないのですが、その裏返しとして、次の記事に使っていくうえで感じた不満点や改善要望をまとめてみた。

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