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Lumix S9 + Lumix Lab レビュー 後編 ‐ PCレス現像のために期待すること

前回、Lumix Labアプリの期待と他のアプリと比較したアドバンテージを書いたが、今回はその裏返しである不満点と要望をまとめてみました。

今までのカメラではアプリをインストールしても年に数回使うくらいだったのに対して、自分の写真のワークフローに真剣に組み込むことを考えるとなると期待値が変わるので、その分注文が多くなってしまいました。

ソフトウェア UI周り ‐ 表示関係

タブレットでの横画面表示

せっかくのフルサイズ機、スマホでだけでなくタブレットでの運用をしたいのでだけど、現状はスマホが主眼になっているらしく、タブレットでも使用はできるけれど、画面レイアウトが強制的に縦位置になってしまっている。それでも全画面表示にはなってくれる分ありがたく、できれば他の写真編集アプリと切り替えながら使いたいので、横画面に最適化して欲しい。

カメラ内画像一覧表示で縦画像・横画像のレイアウトがおかしい

縦画像は1行の高さに合わせた表示がされるが、横画像は縦画像の幅で表示される縦画像の半分サイズになってしまうし、なぜか縦画像と下揃えになるのは、写真の撮影順がわからなくなるので、せめて上揃えにしてほしい。もしくはソニーのように余白を挿入して縦横画像を同じ大きさのセルに収めてほしい(ただソニー場合、余白が灰色なのはデザイン印的にイケてない)

lumix lab 画像一覧  画像がでこぼこに並ぶ
Sony のアプリ 画像一覧 デザインはともかくみやすい

画像選択時のUIが使いにくい

同じくカメラ内画像の一覧表示で、選択用チェックボックスが小さく、タブレットでも繊細なタッチを要求されて実用的でない。

Lightroomのように、シングルタップでは拡大表示、長押ししたら選択モードに移行→それ以降は画像全体をタップすれば複数選択できる、という方がやりやすい。

ソフトウェア UI周り ‐ 係接続関係

カメラ接続時の進行状況がわかりにくく、不要な操作が必要

アプリ上でカメラタブに遷移した時点で、なにもしなくてもカメラへのBluetooth接続が始まっているらしいだけど画面が変化しない。せめて、その時アイコンなどで接続中であることを明示してほしい。

また、Bluetooth接続完了後は、カメラ内画像の表示やLUT管理はボタンを押さないと始まらないのが不便。また、「5GHz-Wifi」のオプションが毎回外れるのは改善してほしい。

この接続プロセスは、Sonyのアプリが便利で、カメラが電源オフでもアプリ側からBluetooth接続をするとメラがオンになり、一気に画像の一覧表示まで進むので操作が不要 (でも、繋がっても頻繁に接続が切れるので、結局アプリ事態を使ってない・・・)

可能なら、ユーザーとしては、カメラタブを選ぶ場面では撮影画像管理の操作、LUTタブを選んだ場面ではLUT管理の操作をしたいので、ボタンを押さずに画像一覧やLUT一覧を表示したほうが便利。

カメラタブにもLUTタブにも切断ボタンがない。

Lumix Labアプリで画像取込んで現像し、他のアプリに共有してSNS投稿しても、S9ではカメラとスマホがBluetooth接続が継続される。これにより接続が安定しているんだろうけれど、その反面、電池の消耗が心配。解決策として、アプリの目立つところに接続状況アイコンと切断ボタンがほしい。

マニュアルを見たら「スマートフォンの設定画面からBluetooth機能をオフもしくは切断操作を行う」という記述があったので、Lumix Lab側で切断ができるとうれしい。

RAW撮影でのワークフローでの課題

再生画面からLumix Labへの個別転送ができない

個人的にPCでの現像で使いたいし、S9のようにいろんなバージョンをLUTで現像したJPEGができる場合、JPEG+RAWの保存形式は使いにくいので、現状RAWオンリーで撮影してます。

この場合、PCレス現像の運用するなら、カメラでの画像再生画面で写真の削除やレーティング作業をしながら、現像したい画像だけカメラ内で現像するか、スマホに送ってアプリでで現像したい。

言い換えると、撮影後にカメラ内で1枚の画像を再生している場面で

  1. カメラ現像でOKな画像は、違うLUTをいくつか試してから、気に入ったバージョンを現像し、出力されたJPEGだけをアプリに転送する、

  2. アプリで現像したい場合は、そのRAWだけをアプリに転送する

という運用を考えています。

1.のケースではLumix Syncという別のコンパニオンアプリで、カメラロールに対してJPEG出力できるけれど、Lumix Labのギャラリーには追加されない

2.のRAW画像の個別転送は現状できず、Lumix Lab側でインポート操作が必要らしい。大体のコンパニオンアプリでは、カメラ側で指定して転送、アプリ側で指定して転送、どちらも可能だし、Lumix Labアプリのギャラリーにかならず保存してほしいとおもいます。

再生画面からのRAW現像も手数が驚くほど多いのは問題。

また、再生画面から特定の一枚をカメラ内現像する場合、再生画面から現像完了までは、多くの手順を踏まなくてはいけない。

1.メニューボタンを押す
2.RAW現像を選択
3.現像する画像を選択
4.現像パラメーター指定画面で「現像実行」を選択
5.「新規保存をしますか?」で「はい」に移動
6.「はい」を押す
と、数えてみたら合計6ステップ!

自分の理想とてしては、再生画面上でセレクト中に現像したい一枚を見つけたら、なにかのボタンで一回押すだけで
①適用してあるLUTで現像しJPEG保存(できれば別フォルダだとPCでのメモリカードからの読み込み時にすごく便利)
もしくは
②LUTの情報を維持したままスマホやタブレットに転送し、そちらで微調整して現像
というような操作が理想で、これが驚くほど便利になるかも。

カメラでの現像のUIは使いにくい

これはある程度しょうがないことだと思いますが、LUT選択以外の現像のパラメータ調整の操作は煩雑で、調整の結果もみにくい。
これはある種しょうがないことなので、LUT適用時に強度をコントロールしたり、一つのLUTをベースに他のパラメータを変えたバージョンを作ったりすることで対処することを考えようと思う。

アプリでの現像に関する大きな問題点

上記の細かいUI周りの課題よりも、現像機能周りの課題が、自分にとってのLumix Labアプリの価値を大きく決めてしまうことになりそう。

結局、カメラでの現像とコンパニオンアプリでの現像が、Lightroomを置き換えてくれない限り、結局はLightroomにケーブルを使って読み込むことになるのだから、本当に重要なことのように思う。

1つ目は、現時点ではRAWファイルの現像処理はできないこと(iOSがRAWをサポートしてないせい?)将来的には実装されるのか、ちょっと心配。

2つ目は、Lumix Labでの現像時にレスポンスがよくないこと。スライダー操作が画像に反映されるまでラグのせいで、結果をみながら微妙な調整が難しく、直感的な現像ができない。これは、気持ちよく現像ができるかどうかに直結することなので、Lightroom並のレスポンスを目指してほしい。

3つ目は、現時点では、S9やLumix LabでのでのLUT適用やRAW現像履歴がRAWファイルに対してどう保存されるかが不明ということ。

逆説的だけど、Lightroomが完全に撤廃できるとわかるまでは、もしくは他のカメラを使い続ける限りは、Lightroomでの現像を続けなくてはいけなくて、そのとき、もしS9やLumix LabでのLUT適用や現像がLightroomにうまく移行できない場合、Lumix Labの立ち位置が中途半端になってしまう。

Lightroomとの共存の可能性

理想的には、Lumix LabでDNGファイルでのExportができて、それをLightroomに読み込んだときに、プロファイルやその適用強度、その他の現像項目に反映されてくれれば、まったく制限なくLightroomのワークフローに統合できる。

もしそうでない場合なら、スマホやタブレットで行った現像はスナップショットの現像として、Lightroom側では別個の再現像をすることになるが、できれば観世でなくてもいいので、最初の現像のイメージを引き継ぎたい。

これからLightroomのS9 Rawファイルのサポート開始を待って、この辺の運用が決まっていくのだろう。

7/10 追記

Lumix Labで画像の傾き修正ができない。

ジオメトリ調整ができないのはいいとして、トリミングはできるのに、傾き補正できないのは辛い。必須だと思うので、ぜひ実装して欲しい。

Lumix Labでの画像間移動が面倒くさい

編集画面から次の画像に移動する手段がなくて、画像一覧に戻ってから移動が必要。うーん、これも辛い。

カメラロールで削除した画像がLumix Labでは自動で削除されない

カメラからLumix Labに転送した画像はカメラロールにも表示されるので写真整理のためにカメラロール側で削除を行ったら、Lumix Lab側では一覧に残ったままで「ファイルが見つかりません」としてエラー表示される。カメラロールで削除したら、一緒に削除してくれないと困る・・・

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