下北沢を彩る「素今歩」で見つける自分らしさ

下北沢駅中央口から出てすぐのしもきた商店街は、下北沢のなかでも古着屋やカフェが多いエリアです。

今回は、しもきた商店街の魅力的なお店に、お店のこだわりや設立背景、お店にこめた想いを学生がインタビュー取材する企画第1弾！
（詳しい企画の背景はこちらのnote記事をご覧ください！）

第１弾でご紹介するお店は、700名以上のクリエイターさんに最初の一步を踏み出す場を提供してきた、「素今歩（すこんぶ）」さんです。

下北沢駅北口からほど近くにある東洋百貨店に、「素今歩」北口店があります。

倉庫のような空間に、個性的な古着屋や雑貨屋がひしめき合うこの建物の中で、今回取材した「素今歩」さんは17年前からお店を構えています。クリエイターさんが作品を展示販売できる木のボックスを貸し出し、多くの作品が出品されています。

このお店を経営するのは2代目店主の川上さん。本日はお忙しい中インタビューに応じてくださいました。

－川上さん、本日はよろしくお願いします。
川上さん：こちらこそよろしくお願いします。

－このお店に来たのは初めてですが、手作りの商品がたくさんあって、ついつい見入ってしまいました！ここでは具体的にどのような商品を買うことができるのでしょうか？

川上さん：ピアス、イヤリング、リング、ネックレス等のアクセサリーです。現在下北沢の北口、南口でお店を経営していますが、合計で700人のクリエイターさんが出品してくださっています。

－700人ものクリエイターさんが出品しているのですね！両方行って自分のお気に入りのデザインのアクセサリーを見つけてみるのはとても面白そうですね！

川上さん：そうですね。しもきた商店街に来たらぜひ行ってみてください。

素今歩を出発点に、全国の作家さんの活躍の場をつくる

ー「ずっと気になっていたのですが、このお店の『素今歩』という名前の由来は何ですか？」

川上さん「『素人が、今から、歩き出す』が由来です。そもそもこのお店は父が始めたのですが、父はクリエイターの街でもある下北沢で、不動産屋を営んでいました。そこでお客さんと話すうちにクリエイターさんの作品が自宅に多く眠っている、ということを知ったようです。

父はクリエイターさんが心を込めて作った作品が自宅で眠るだけでは勿体ないと思い、店を始めました。クリエイターさんが自分の商品を出展するとなるとお金がかかってしまいますから、ここを出発点として歩き出してほしい、と強く感じています。」

お客様とクリエイターさんをつなぐ

ー「お父様の意思を継いで、いまクリエイターさんを第一に考えてお店を経営されているのですね。このボックススタイルにしたのは何か理由があるのでしょうか？」

川上さん「箱という限られた空間ではありますが、クリエイターさんが店舗を出す場合のコストの軽減や、応援したい気持ちがあります。ボックススタイルにすることでクリエイターさんが自らの世界観を表現できるだけでなく、それを見るお客様が宝探しをする感覚で自分のお気に入りの箱を探すことができるようになっています。」

ー「そのこだわりが、この温かいお店の雰囲気を作り出しているのですね。」

川上さん「そうかもしれません。来店してくださった方には、この雰囲気の中でクリエイターさんが一から作り上げた作品を視覚と触覚で感じてほしいですね。

そのためには私自身が経営するうえで、お客様やクリエイターさんに喜んでもらう方法を常に考えたり、直接クリエイターさんにアドバイスすることもあります。訪れた人がお店の雰囲気を味わい、どのような強みがあるのか探ることも自分が求めているお店を見つけるキッカケにも繋がるのではないでしょうか。」

個性的な街「下北沢」でクリエイターさんを応援したい

ー「そのこだわりが今のお店の雰囲気を作り出しているのですね。とても素敵です…！
なぜ『下北沢』を選んだのでしょうか？」

川上さん「個性的なジャンルが多く集まる場所だからです。この場所なら、クリエイターさんの個性も生かせるのではないかと思いました。」
ー「下北沢は本当に個性的なお店が多いですが、素今歩さんは1つのお店の中に個性・魅力が本当にたくさん詰まっていますよね。」

川上さん「ありがとうございます。私のお店だけでなく、しもきた商店街が街全体の盛り上げを担う組織であってほしいと思います。時代に沿った新しい取り組みや、アンテナを持ち続けて欲しいと思いますね。」

大切なことは「クリエイターさんとの信頼関係」

ー「いつの時代も人でにぎわうような場所を作る、というのはとても大変なことですよね…。求められているものが目まぐるしく変化する中で、17年もの間、しもきた商店街の中心的存在である素今歩さんは本当にすごいですね。」

コロナ禍もクリエイターさんと共に乗り越える

ー「現在コロナウイルスで下北沢の多くのお店が休業となり、大変な時期かと思いますが、素今歩さんで新しく始めた取り組みなどはあるのでしょうか？」

川上さん「新しい取り組みは特にやっていません。コロナに限らず、クリエイターさんに寄り添って考えながら、信頼・信用を大切にしながらお店の経営を続けています。」

ー「素今歩さんとクリエイターさんの信頼関係があるからこそ、この素敵なお店がしもきた商店街を彩ってくれていると改めて感じました。ありがとうございます。最後に今後の展望について教えてください。」

川上さん「全国のクリエイターさんの活躍の場を広げる事ですね。」

ー「全国展開！楽しみです！多くのファンが待ち望んでいると思います。
時間をかけて物を作らない現代だからこそ、手の込んだ作品を見て素今歩さんで感じることがあると感じました。本日はお時間をとっていただき、ありがとうございました。」

川上さん「こちらこそ、ありがとうございました。」