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造形で勝負できないデザイナーの生きる道

僕は「デザイン」という言葉に少し抵抗を感じるというか、コンプレックスがある方です。あまり格好いい形を直感でつくれず、苦手意識を持っています。それでも何だかんだと設計を続けて、最近ある程度デザインとしても施主から評価を受けることも多くなってきました。形や美しさで勝負できない僕が何で評価されたかと言えば、

ズバリ「一石二鳥」による「なるほどー」です。

もう少し言うと「形」と「機能」の一石二鳥です。


ちょっとした例を挙げます。

「波を表現したい」というニーズ(あるいは造形としての要望)と「コストをかけたくない」という機能(?)、条件があるとします。普通にいくと波というここんなイメージになりますよね。

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斜めに何かを作るのはコスト的なデメリットも多いです。もちろん3Dプリンタなど複雑なものを複雑なまま作る、というアプローチもありますが、そこまでスキルとツールと環境が無いこともこれまた多い。形で走ってしまう人は、じゃあどこにこのナミナミをつけるか、ペンキかサインか外壁か、というところでバタバタしてしまうんです。

さてどうするか、ということで、こんな方向性を考えます。

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波?という感じもしますが、最初のがいわゆる「横波」で次のものものが「縦波」のイメージです。後出のものは直線の粗密として波を表現しているので実際に物を作る時には曲線を作る時よりコストがかからないかもしれません。

建築で言えば例えばこれがパーティションだったり、外壁開口部のモチーフとして使ったら、粗密によって人の気配が、、、なんて流れにつながっていきます。

この例のパターンでいけば「縦波」を使うことで「波を表現する」ことと「コストをかけない」ということを両立させ、さらに他の機能・モチーフに波及させることで「一石二鳥」ならぬ三鳥、四鳥を提示できる、ということになるかもしれません。波といえば直感的にはウネウネした横波をイメージするところをちょっとアプローチを変えてみた、というところにミソがあります。

こうした機能と形を繋げて「一石二鳥」的なアプローチをすることは対企業向け、その担当者向けには結構効きます。なぜなら説明しやすいからです。担当者は上層部に説明することも多く、デザインに合理性があれば「好きか嫌いか」ではない部分で意思共有が図れます。この一石二鳥がこじつけでなく、本当に皆が「なるほどー!」と思えほど、効きます。

モノづくり・デザインの本質から言ったら邪道というか、少々甘い考えかもしれませんが、あまり造形が得意だと思えない人が、どうしたらいいかな、と思った時にヒントにしてみてはどうかなと思って発信しました。

認めれられて、面白がってやるのがデザインは楽しいと思います。超一流でなくとも少しでもデザインの良いもの・工夫して考えたものがが世の中をよくするんだと思って、一歩一歩進みましょう!

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