JazzとHipHopで『アート思考』を学ぶことができると言い張る理由
沈みかけた船にしがみつく中枢の人々の思考
かつての高度成長時代の日本において、物質的な豊かさを求めている人々と社会に対して、均質的な商品・同質的なサービスを大量生産・大量消費するビジネス・モデルでした
お分かりとは思いますが、そんな時代はとうの昔に終わっていて、モノがあふれる世界において人々と社会のニーズは、幅も高さも深さも広がっていると考えた方がリーズナブルです
しかしながら「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」と口にしながらも、過去の成功体験から離れられずに、その延長線上での思考やフレームワークに当てはめるやり方を行っている企業・組織・社会が散見されるのが現実ではないですか?
多くのビジネス・パーソンや経営者は、社会の変化を理解する大切さを認識していて「それはなぜなのか?」という深層構造を見抜いて未来を洞察する重要性に気が付いているはずですが、そのことを問題提議しても前に進まない文化・慣習・掟が邪魔をしています
多くの日本型経営企業のビジネス現場では
「過剰分析(オーバー・アナリシス)」
「過剰計画(オーバー・プランニング)」
「過剰法令順守(オーバー・コンプライアンス)」
による数字やデータと取り繕いに重きを置き過ぎた経営体制の弊害によって「見えること」だけに囚われてしまっている感は否めません
企業・組織の中枢にいる多くの人は
① 既得権益をぶっ壊す危険性がある案件は認めない
② 自分のポストを手放す恐れがあるリスクは取らない
という『思考停止』に陥っているのでしょう
現場で働いている多くの人も、割り当て業務をこなすことに重きを置き
「なぜ?」「何のため?」といった疑問を抱かない『依存による思考停止』に陥っています
この状態にある組織において
「今のままでは大変だ!」と変革の必要性を訴える人は?「わきまえない人」として扱われてしまい『村八分』にされるのがオチです
たとえ「変だな」と思ったとしても「口にしないこと」がその組織内での最良の生存戦略となってしまっているんです
右肩上がりでイケイケ・ドンドン状態であれば、トップからの指示・命令に従って一致団結して進むことは効果的です
しかし、成長が止まって下降傾向にあるときには「誰が悪い」「何が悪い」といった【犯人捜し】が得意なカメレオン的社内評論家が大量に現れ、如何にして自分に火の粉が飛んでこないように「手のひら返し」と思われる言動すら厭わなくなります
沈みかけた船の中であっても、自分が持っているポジションそして既得権益にしがみつくことに必死になっている狭い知識や経験にとらわれている中枢の人は、自分の価値観と違う価値観に遭遇した時に排除することしかできず『批判的思考(クリティカル・シンキング)』に走りがちです
『論理的』と聞こえるかもしれませんが、要は「今の状況よりも悪くなるというリスクが考えられる方法・手段はとらない」ということで、沈みかけた船において「乗組員を救う方法・手段」を何も示していません
ヤバい背景を温存したまま「各自の努力で乗り越えろ」としている企業こそブラック企業でしょう
このヤバい背景の中で作り上げられきた企業・組織文化は、不祥事が発生した場合に大きく間違った方向に導きます
危機管理状況下においても、トップに伝わってくる情報はリアルで正確な情報ではなく、各部門・個人のバイアスを通して伝えたえられる情報です
「自分は悪くない」という保身バイアスによって正確性に欠けることも多いのは否めません
それはなぜか?
「依存による思考停止」ゆえの【他視座性が欠如】【想像力の欠如】
に陥ってしまっているからです
これは個人の問題というより「自ら考え・自ら発信して・自ら率先して行動に移す」という考え方を阻止してきた企業・組織文化の問題なんです
『デザイン思考』と『アート思考』の違い
昨今『デザイン思考』も大切な思考法のひとつされています
この思考法は、顧客の問題を解決に導く合理的かつ論理的に考えるということが重要です
『デザイン思考』はユーザーにとっての最適解を得るための課題解決型思考
つまり「自分がどうしたいか?」ではなく「顧客のベネフィットのためにどうすればいいのか?」を考えるものです
『アート』はゼロから価値を生み出す創造的活動
常識に囚われない別の視点からのアプローチによって思わぬ解決策や新しい道が開けるのが『アート思考』です
「そもそも何が問題・課題なのか?」という「問い」から始めるのが特徴
今のビジネス・パーソンが求められるのは?
「今、何が問われているのか?」
「今、何が課題になっているのか?」
現状を打開して従来とは異なる新たな価値の創造に寄与する発想
そこはビジネスとは無縁と思われがちな『直感』や『感性』なのかもしれません。マニュアル化出来るものではなく、論理的に説明できないケースの方が多いでしょう
Jazz&HipHopで『アート思考』を学べる理由
私は、一般的にアートと呼ばれている絵画などの作品は美術館や展示会を見に行く程度です。興味はあるのですが、深い知識も持ち合わせていなくて、今から一から勉強する気にはなりません
JazzもHipHopも立派な『アート』で、ジャズメンもラッパーも立派な『アーティスト』です
自分の生活に必要不可欠であり一日中聴いている『即興性』『多様性』の音楽と言われている「ジャズ」「ヒップホップ」のルーツを調べ、時代背景やアーティストの深層心理を感じることで『アート思考』を十分に学べると考えました
✅ チャーリー・パーカーのビ・バップ革命は何が要因だったのか?
✅ マイルス・デイヴィスのイノベーション発想の起点は何か?
✅ DJクール・ハーツのブレイク・ビーツはどうやって創造されたのか?
✅ 貧困の街ブロンクスからヒップホップが創造された理由は?
そして
★ ジャズはなぜ?音楽メジャー・シーンの主役の座を奪われたのか?
★ ヒップホップが世界を制した音楽となった最大の要因は?
聴くだけであった音楽を「なぜ?なぜ?なぜ?」という問いを立てて調べていくうちに、Jazz とHipHopの創造性の共通点が見えてきました
『差別』『分断』『挫折』『葛藤』といった厳しい状況から『創造的摩擦』に昇華していってイノベーションが起こる
新しいモノコトを創造するには、固定観念・既成概念と常識・当たり前と思われていることを疑いぶっ壊すことから始まる
そして重要なことは?
従来からやってきている慣習や方法や「型」「理論」その背景を熟知した上でなければ新しいモノコトは創造できない
ということです
ジャズの即興演奏は「音楽理論」はもちろんですが「インタープレイ」と称される『相互作用』を理解しておかなければなりません
自分のソロ・パートだけでなく、コンボ全体としての最適解を導くセンスが必要です
ヒップホップは、プロデューサーを中心にしたトラック・メーカー&ラッパー(リリック)・DJプレイヤーなどの全体最適を目指した個々人の最高のパフォーマンスとテクノロジーの融合によって創造されます
ジャズもヒップホップも『得意分野を持ち寄って全体最適を導く共創』
私がジャズやヒップホップを題材にして学べる『アート思考』の特徴は
個人だけでなくグループ(組織)としてのイノベーション発想を学べる
という点なんです
そして最大のポイントは『即興力』と考えています
「型」を知っているから出来ることできるのが【型破り】
新しいアートとして認知されるのは【型破り】です
「型」を知らずに新しい方法論を提示するのは【型なし】は長続きしません
『アート思考』はビジネスに役立つのか?
「アートとビジネスはまったく異なる」
「アートとビジネスの発想の起点は異なる」
と考えるのが一般的かもしれません
しかし、まったく違うから新しい”気づき”があるという可能性はお分かり頂けると思います
今の時代のヒット商品・サービスは「感性的」「感覚的」な要素が入り込んでいて、発想の原点は「直感」や「感性」といった『勘』とも言われるマニュアルにはできない「問い」からのスタートだったものが多いのです
表層的な均一性が重視されてきた日本型経営企業・組織・社会において
追記
私にとって2022年は、覚悟と決断と新しいチャレンジの年でした
過去からのヒト・モノ・コトの断捨離を行いました
「捨てる」ということには勇気と思い切りが必要でしたが、新しく見えてきて、感じられる「得ること」の方が多かったです
ここで細かい説明は省くが、自分が目指す【Total Solution Business】という共同体を創造する基盤が出来上がり、協力してくれそうな人々との出会いもありました
まだまだ自分の夢の実現には多くの壁を乗り越えなければなりませんが
マイルス・デイヴィスの言葉が少し理解でき行動に移せた年だったと思っています
最後に、noteで出会えた素晴らしき仲間の素敵な投稿記事を紹介します
長谷川一英@アーティスティック・インターベンションさん
藤本正雄さん
林田 保さん
八木美和@社外メンターさん
NORIKO MURAKAMIさん
まだリアルな接点を持ったことはないですが、なんらかの形で是非コラボしたい方(短時間だけ接点を持った人も含めて)
麻生りり子さん
るるゆみこさん
間 学さん
森啓成 (モリヨシナリ)さん
惠美須丈史(サルバドール・ヱビ)さん
♪クリスマスだから言うわけじゃないけど何か大切なことができるような♪
メリー・クリスマス