MTVの歴史から学ぶ多様性と包括性の重要性
1981年、MTVは、音楽ビジネスに革命をもたらしました。
MVを通じて、アーティストのイメージを視覚的に表現し、音楽を売るための新しいマーケティング手法を確立したのです。
MTVは音楽の消費方法を劇的に変え、若者文化の中心に位置するメディアとして瞬く間に成長しました。
スタート当初のMTVは白人ロックの専門局で、黒人の音楽がプライムタイム(19時~23時)に流れることはありませんでした。
ごく一部の黒人アーティストに限り、午前2時半から6時の時間帯のオンエアされていました。
マイケル・ジャクソン「Thriller」の大ヒットで、黒人アーティストの作品として初のヘビーローテーションを獲得しました。
これを契機に、MTVは黒人アーティストを取り上げるようになり、音楽業界全体に変化を促しました。
Run DMCがエアロスミスの「Walk This Way」をカバー。
ヒップホップとロックンロールが融合したビデオ・クリップ(エアロスミスも共演)は大ヒット。
その後、他のヒップホップ・アーティストのクリップ・ビデオも放映され始めました。
88年9月、ヒップホップの専門番組「Yo! MTV Raps」がスタートしました。
ギャングスタ・ラップを放送局は、クライアント達の懸念も含め、放映を避けがちでした。しかし、ドクター・ドレー、スヌープ・ドック、2PACなどの人気で、MTVもギャングスタ・ラップを避けることが出来なくなり、放映するようになったのです。
MTVの歴史は、時代に応じた変化の必要性と可能性、そして、多様性と包括性の重要性を教えてくれました。
私たちが学ぶべきは、特定のグループが排除されたり、無視されたりすることがないよう、多様性を尊重し、包括的な社会を築くための努力を続けることです。
これは、音楽業界だけでなく、社会全体における進歩と公正を推進するための重要な教訓です。
MTVの歴史は、マジョリティである白人社会の変化のスピードの遅さが露呈しました。
既得権益を持つ人々が新しい価値観を受け入れることに抵抗する傾向があることや、社会的・文化的な習慣が深く根付いていることが挙げられます。
社会の構造や文化は一夜にして変わるものではありませんが、圧力や需要が強まると、最終的には変化が起こります。
黒人音楽の歴史を学ぶだけでも多くの「気づき」があるのではないですか?
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