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“マイナス感情”の蓄積を放置すれば増幅するだけ
「不安」「怒り」「虚しさ」「妬み」「あきらめ」「落ち込み」「逃げ」「疲労」
“マイナス感情”には、あまり表に出てこない感情もあれば、何かの“きっかけ”で爆発して表面化する感情もある。
「満足感」「達成感」「幸福感」「喜び」
“プラス感情”も、“マイナス感情”と同様に、表面化するものと、しないものがある。
私は、“マイナス感情”のほうが“強烈”な感情で、長期間にわたって様々な影響を与えている気がする。
人や組織が“病んでいく”最大要因は、この“マイナス感情”だ。
『今、コレに加入すると“こんな特典”があります。お急ぎください、期間限定です。』
多くの企業・組織が“プラス感情”を生み出す施策を打ち出している。
“マイナス感情”に蓋をして表面化しないように、“プラス感情”に繋がる施策だけを打ち出しても、それは一時しのぎにすぎない。
この施策での“喜び”は、すぐに【当たり前】になって、中長期的に考えると“プラス感情”を生み出すものでない。
ここでの特典が無くなったときの“マイナス感情”のほうが大きくなる。
施策を打ち出すにあたって、必ず次の3つのカテゴリーを明確にする必要がある。
Who(誰に向けた施策?)
What(何を解決する施策?)
How(どうやって展開する?)
では、【10万円特別定額給付金】で考えてみた。
Who = 経済的に困窮する人?
What =??
How = ???
改めて、「そもそも、何のため?目的は?」を考えてみると、
『“自粛”したくても現実問題として生活の糧のために外出して仕事をしなければいけない人いる。
その人たちがコロナウイルスを拡散してしまうことに繋がる可能性もある。
それで、経済的に困窮する状況を緩和するために、10万円特別定額給付金の支給が決定』
だったはずだ。
しかし、Web申込システムの不具合・手続きの複雑さ・役所窓口の混乱によって、申請したものの、いまだに給付金が支給されていないケースが散見されている。
“プラス感情”に繋がる施策を行ったつもりであろうが、結果的には
【国が国民に提供するもの・レベル】と
【個人が国に求めるもの】
の“差”が大きすぎて、
国に対する「不信感」といった“マイナス感情”発生の要因にしかなっていない。
これでは、給付金の“有難味”は日に日に薄れていくばかりのような気がする。
では、【マイナンバーカード】での“マイナポイント還元”スタートしたが、この制度の『目的は何だろうか?』
今まで全く浸透しなかった【マイナンバーカード】を、この機会に少しでも広げたいという思いはわからなくもない。
『そもそも、なぜ?【マイナンバーカード】が普及しなかったのか?』
『【マイナンバーカード】のメリット・デメリットは整理されているのか?』
といった、根本的な問題が解決していないのに、
その場しのぎの施策じゃないのか?
としか私には思えない。
昨今、偉い方々が考えて、発表した施策は?
「Who?(誰の?)」「What?(どんな課題)」といった考えるプロセスをすっ飛ばして、闇雲に“プラス感情”になると思い込んでいる施策を行っている感は否めない。
実務を行う現場との連携が不十分なままの“見切り発車”で、スタートしても“不具合”が目立ち、スムーズにいかない。
この状態では、“シラケ感” “不信感”という要素で、“マイナス感情”を増幅させるだけでしかない。
『全員を救いたい!』と思って行ったアクションの結果が、『誰も救えなかった』
という最悪の状態に陥ってしまっては、残念なだけだ。
“無関心” “想像力の欠如”
と言われても致しかたない。
他人事感は、もうやめて、
プライドを捨てて、現場の人の真実の声に、真摯に耳を傾けようよ。