子供の教育は外部機関に依存するだけでなく親子一緒のアンラーニング
AIが仕事を奪うのではなくて、AIに精通した人が仕事を奪う
私が「共創術」と称して、ジャズやヒップホップを題材にしてのワークショップ開催提案は、アンラーニングの勧めです。
リスキリングもリカレント教育も必要ないと申し上げているのではありません。
企業内において、ChatGPTなどの生成系AIの目まぐるしい進歩によって、AIが代替できる職種を、従業員が今、基礎的な部分から学び直す必要性と重要性が理解できないだけです。
ChatGPTなどの生成系AIを活用すれば、生産性が飛躍的に向上し、コストも時間も大幅に削減できるのならば、AIが最高のパフォーマンスを発揮できる「問いかけ」の力を人間は学んで、AIが代替できる職種はAIに任せてしまえばいいと考えているからです。
“Garbage In, Garbage Out”(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)
良好なAI関係に重要なのは、適切な「問いかけ」なのです。
文化系のアナログ人間が、この変化のスピードが速い時代に、基礎からプログラミングを学んだところで、AIの能力に追いつくことは不可能でしょう。
良好なAI関係を構築できる発想方法や思考法を学ぶべきです。
今必要なのは、アンラーニングと考えています。
リスキリング(Reskilling)
新たな技術や職種に対応するために、既存のスキルを新たなスキルセットに置き換える教育やトレーニングのことを指します。
従業員が新しいスキルや能力を獲得し、新たな仕事の要求に対応できるようにすることを目的としています。
リカレント教育(Recurrent Education)
生涯学習の一環としての教育のことを指します。
これは一度得た知識やスキルを維持し、時代の変化に対応するために定期的に学習を行うことを指します。
従業員が最新の知識やスキルを維持し、自身の職種における最新の進展に対応できるようにすることを目的としています。
したがって、リスキリングは新たなスキル習得と職種の変更に焦点を当てているのに対し、リカレント教育は既存のスキルと知識を最新の状態に保つことに焦点を当てています。
一方、アンラーニングは、リスキリング、リカレント教育とは、根本的に目的が違っています。
アンラーニング(Unlearning)
古い考え方や方法を意識的に捨て去るプロセスを指します。
このプロセスは、新しい情報やスキルを学び取る前に、古い知識や理解が新しい学習を阻害するのを防ぐために重要です。
既存のスキルや知識、そして概念や信念を放棄または改変することに焦点を当てています。
これは、従業員が新しい方法や新しい視点を受け入れるために、古いやり方や視点を取り除くことが必要となる場合に重要です。
新たな視点や考え方を取り入れるためには、既存の信念や理解を一度解体し、新たな知識を受け入れる準備をする必要があります。
しかし、残念ながら、企業の決定権限者である既得権益者は、今の自分の地位や権力を絶対に渡したくないので、次の傾向にあります。
企業内に多く存在している老害者の考え方を変えるのは至難の業です。
しかし家庭内の子供の教育で、親が「自分が理解できないことについては何でもけなす」でいいでしょうか?
子供たちは日々成長し、絶えず新しい事物や考え方に触れています。
彼らの問いかけや視野を限定するような古い信念や先入観を持っていると、その発展を阻害することになります。
また、親としては、子供からの問いや疑問に対する自分たちの理解や知識が完全であるというプレッシャーを感じることがありますが、それもまたアンラーニングが必要な領域です。
親として全ての答えを持つ必要はなく、むしろ子供たちには自分たちで考え、疑問を持ち、解決策を見つける力を育てることが大切です。
親世代の人が学生だった頃、試験は大部分が暗記に基づいていました。
一連の事実や情報を記憶し、それを紙に書き出すことで、知識と理解が評価されました。
しかし、情報技術の進歩と共に、私たちが教育と学習を捉える方法は大きく変わっています。
AI(人工知能)の発展は、私たちが情報を得る、学ぶ、そしてそれを理解する方法を変えました。
今日、私たちが知りたい情報はスマートフォンやコンピュータで数秒で見つけることができます。
それは言い換えれば、子供たちが知識を「暗記」することの重要性は以前ほどではないということです。
その代わり、今必要なのは情報を理解し、分析し、そしてそれを利用する能力です。
これは、問題解決、批判的思考、創造性などの「21世紀のスキル」としてしばしば呼ばれるものです。
AIと共に学ぶことで、親としては子供たちにこれらのスキルを教えることができます。
たとえば、ChatGPTなどのAIは、自然言語を理解し、子供たちの質問に答えることができます。
これは、子供たちに自分で考え、疑問を持ち、解決策を見つける力を育てることができます。
しかし、ここで大切なのは、AIが「ツール」であるということを理解することです。
AIは正しい情報を提供できる一方で、情報が正確であるかどうかを判断する能力は持ち合わせていません。
それは人間、特に親としての役割です。
そのため、親としては、子供たちと一緒にAIを使って学ぶことが重要です。それは、ただ答えを見つけるだけでなく、情報が正確であるかどうか、それがどのように得られたかを子供たちに教えることを意味します。
今日の情報社会では、正確な情報を見極める能力がますます重要となっています。
つまり、親としての役割は、全ての答えを持つことから、子供たちと一緒に学び、彼らの学習をサポートすることへとシフトしています。
この新しい役割は、子供たちにとって、そして社会にとって価値あるスキルを育てるのに重要な一歩です。