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『本質直観』を組織化するのは「直接経験の共有」して組織の無知へアクセス

ブレインストーミング(『図上演習』)に関して もう少し細かく説明します

『図上演習』とは


『図上演習』とは

対応すべき事態に関し 想定を付与することにより事態を模擬体験しながら 情報の収集 分析 意思決定 伝達等の対応を机上で行う実働を伴わない演習(林 祐著書『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』)

林先生は この著書で

『危機管理とは 何か起こったときの計画をつくり 専門部門を設けて備えることではない。クライシスマネジメントは まず基礎体力の錬成か始まる。基礎体力のない会社に 危機を乗り切ることができるはずがない』

と『図上演習』の必要性を書かれています


私が数年前『図上演習』を行った際の設定テーマが コレです

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某中小企業で 専務 人事・総務部長 総務課長 を対象にした『図上演習』でしたので リアル感がある設定テーマにしました


【この時の感想】

まぁ 見事なまでに 具体的な対応策が出てきませんでした(笑) 

「正解のない問題」ですので 各社によっても最適解は異なりますが 

それにしても 実務を離れた役職者という人々は

「具体策がわからないんだ(笑)」 という感想です


専務が切り出しました

「インターネット関係に強い社員に『明日出勤してくれ!』って頼むしかないだろう」

総務部長

「総務課長 この種の問題に詳しいのは誰か 見当つくか?」

総務課長

「IT担当部長に聞くしかないですね。休日出勤になりますから管理職以上だた〇〇課長ですか?会社に戻れば『社員電話番号リスト』があります。システム・メンテナンス会社へ連絡しないといけないので会社に戻りましょう」



「あなたの無知にアクセス」


意地悪ではなくて「この3人では最適解は思い浮かばないだろう」と考えた上て設定したテーマでした

もちろん この会社の状況を知らないので 私にも最適解は分かりません 

役職が上がるにつれて 実務を離れると 知らないことだらけ

ということを 認識してもらうことが目的だったんです


クライシスマネジメントは まず基礎体力の錬成か始まる


現実に同じような状況が襲ってきた時を想定して 事前に仕組み作りをしておくことの重要性を『図上演習』は 教えてくれます

(例)

✅ 緊急事態発生時の社員連絡網は徹底されているか?(ペーパーでなくスマホに登録されているか?)

✅ 社内でのスパムメール対策は どんな状況だったのか? など


自分は「何を知らないのか?」 自社として「何が不足しているのか?」を認識することが この『図上演習』の目的



営業現場でのブレインストーミング


より実践的なテーマがいいと考えて 実際の顧客を特徴を聞き出して作成したイメージです(保険代理店での『図上演習』)


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リーダーが言いました

いままで チーム全員でクライアントについて話し合ったことはなかった


この保険代理店は 

✅ リーダーと担当者で話し合うだけで 全て担当者任せ

✅ 職場内でノウハウ交換したことがない

✅ リーダーは「頑張れ」「努力不足」という声掛けだけだった

という状態だったようです


順番に全担当者が 当該企業に対する営業方法を発表したところ 

中堅FPが

保険商品ありきの営業スタイルで「こんなリスクがあるので保険に入った方がいい」と提案してるだけじゃ売れないさ だから「保険屋」って呼ばれる

すると 自動車ディーラー出身のFPから

車売ってた時 購入客は事前にスペックは調べてることが多いので 家族でSUVを見に来たお客さんには「休日に河原にお子さんを連れて行ってBBQやるの楽しいですよ」って囁いてたな


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若手社員や経験が少ない社員は 上図の『プロダクト営業』しか出来ていなかったということが表面化しました

そして ノウハウの共有の場(暗黙知⇒形式知)になりました


これ以降この保険代理店は 定期的に実際のターゲットをテーマにしたブレインストーミングを開催するようになりました(時には 社外(保険会社以外)の人を招くこともあります)


そして最高に良かったことは 笑いながら 楽しんで やってることです


真面目にやってる中にも 笑顔!



自社の教育は『自社の無知』を認めることから始まる


『アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)』

自分では気づかないまま心の中に持っている偏った見方・考え方、根拠のない思い込み、先入観・固定概念などを意味する言葉


『アンコンシャス・バイアス』は 様々要因がありますが

✅ 自分の立場を守りたい

✅ 自分の価値観・考え方・やり方を正当化したい 

✅ 自分を良く見せたい

といった 自己防衛心と保身の姿勢 によって生み出されています


そして 人にはそれぞれ「触れられたくないこと」「劣等感」「特有の“こだわり”」といったものがあって その部分に関することの話になると『アンコンシャス・バイアス』に満ちた言動を見せがちです

これって 『エゴイズム』『利己の心』でしかない と考えます


プライド高き人に

「貴方の言動は『アンコンシャス・バイアス』に満ちた言動ですね」

なんて直接言った時には 烈火のごとく怒ります


✅ こんな人には「少ない言葉で相手に理解させる」効果的なメタファー


メタファーには 「比喩」「引用」「選択制限違反」「物語」といったパターンがありますが 相手が興味や関心があることや 相手がすでに体験していることに関することが効果的です


企業や組織に対しては

『図上演習』は 組織の「アンコンシャス・バイアイス」を炙り出し 組織としての「無知」を認識してもらうメタファーなんです

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本物の知識とは 無知の程度を知ること


企業変革の機会やイノベーションは 人為的・作為的に起こせるものではありません

何事も順調にいっていて 上手くいっていると思っている時に 企業変革なんて考えないでしょう


企業変革の必要性を痛感するのは 失敗 を経験した時です


しかし 組織だって わざわざ失敗することも無いので 

『図上演習』で模擬体験して『自社の”無知”』を認識して 改善策を講じる



自己変革も同じこと


「あなたの無知にアクセス」


ここが始まりでしょう


難しい顔は止めて 笑顔で


真面目に やんちゃに 楽しく 面白く 



Mistakes are always forgivable, if one has the courage to admit them. 
過ちは常に許される。もしそれを認める勇気さえあれば。



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