231009 kyoto day03
この日まで三連休。
朝から東寺へ。
ここは中国から密教を持って帰ってきた空海に託されたお寺です。
「東寺のすべて」とスマートフォンによる修行
先日「ブラタモリ」でやってたんですけど、実は「西寺」というのもあったそうです(平安時代、京都の中心はもっと西側だった)。今は跡地があるだけですが、東寺と同じく五重塔もあり、それを左右に従えた街並みを見てみたかったですね。
そして、真言宗ができて1200年!すごい!
その記念事業、「東寺のすべて」を見てきました。
東寺は全体が密教のコンセプトをシンボライズしたものになっており、見るだけでその教えをインストールできるような仕組みになっている、らしいです。確かに、曼荼羅(国宝です、今回公開されてました)見てると向こうから何かを心にねじ込んでくる感じあります。
内部はどこも撮影禁止でしたが、とにかくその世界観に圧倒されます。ありとあらゆる形で密教世界を表現しておりました。
カメラマンの土門拳さんが写した東寺の写真を展示するコーナーがありまして、一枚一枚めっちゃアナログな手法で撮られた東寺の姿は、目で実際見るよりもなんだか存在感を感じるものでした。
土門さんは、撮影する前に対象物をよく観察するんだそうです。
おそらく、そこで「これだ!」と思った部分に「フォーカス」するんでしょうね。
この「フォーカス」って写真用語から転じて普段でも使う言葉になっていますが、単に焦点を合わせるという意味以上のものがありますよね?
撮影対象の中に何かしらを見出すのは自分ですよね。自分の中にある美意識とか信念とか、言語化できない無意識の何かとか、いろいろがない交ぜになって「これだ!」っていう判断をしているわけですが、そこで焦点を合わせているのは対象物と同時に自分のこころの中なのかな、と思ったり。
それってシャッターを切るたびに繰り返される自問自答みたいなもんで、実は仏教の修行に近いものがあるのかもしれないなと。スティーブ・ジョブズも禅にはまってたしね。
両足院で雷を浴びる
建仁寺にある両足院には杉元博司さんの襖絵がありまして、普段は非公開なのですが、たまたま京都にいるときに公開日が重なったので、予約して行ってきました。
襖絵になっているのは、杉元さんの<放電場>という作品で、人工的に起こした電気の閃光を焼き付けたものです(Lightning Fields-Japanese — Hiroshi Sugimoto (sugimotohiroshi.com))。
建仁寺には有名な「風神雷神図屏風」があり(普段は京都国立博物館の所蔵なのかな)、雷にちなんでこのモチーフになったそうです。
この黒地に白の雷がまずめっちゃクールですし、襖絵といえば花鳥風月だという文脈を踏まえつつ、しっかり現代的アプローチがなされていてさすがだなと。そういえば、手法はずいぶん違うけど、ここでも「写真」ですね。
ここに詳しいです。
裏もあるのか!(公開してませんでした)
建仁寺で禅について考える
折角来たので建仁寺も拝観しました。
風神雷神は精細なレプリカがありました。
達磨(だるま)は、壁に向かって9年座禅し、その際に手足が腐ってしまった、という伝説にちなんであの「だるま」があるそうです。そういえば、そんなお顔をしてらっしゃいますよね。
抽象的ですよね。
禅は座禅に象徴されるように「言葉じゃうまく伝わんないからとにかく座ってがんばれ」的なフィジカル重視の側面があるように思います。それに伴って言葉の方もシンプルになったり(上の「不識」とか)抽象化したりしたのかな・・・
禅についてもちゃんと考えてみたいと思いつつ、考えるだけじゃなくて座禅組んだりしたほうがいいんだろうなとか。
夜の伏見稲荷
ちょうど「千本鳥居」をライトアップしてるというので、夜に行ってきました。ものすごい人出!残念ながら千本鳥居のライトアップはいまいちだったのですが、そのほか境内は美しかったです。
伏見稲荷は神社なので、今回の「仏教がんばるぞツアー」的には対象外なのですが、寺を回ってて気づくのは、大きな寺には結構神社も入ってるということです。神様に守ってもらってたりするみたいです。神道はもともと自然の中に神性を見出す性質だから、仏教とも相性が良いのだそうで、その辺も面白いですね。
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