
三浦監督続投決定!ベイスターズはさらに進化できるのか?
日本シリーズ進出が決まり、南場オーナー直々に三浦監督の続投が発表されました。
ご報告 pic.twitter.com/qQUOyUa0Sl
— 南場智子 (@tomochinski) October 22, 2024
来シーズンこそは悲願のリーグ優勝をという事で、来年はリーグ優勝からの日本シリーズ連覇!…というのをファンとしては望みたいところです。
では、本題ですが、そのリーグ優勝という命題を三浦監督は達成できるのか?
結論から正直に言えば答えは「分からない」です。
もっと正確に言えば、「リーグ優勝は他球団の動向にも大きく左右されるから現時点で三浦監督の続投のみで判断出来るわけが無い」です。
例えばよく言われる「優勝できる戦力」ってどういうものでしょうか?
プロ野球OBの評論家や解説者の方からも、その年の順位予想をする時などに「このチームは優勝できる戦力がある」という風に話したりしていますが、それはどのように評価をしているのでしょうか?
大事なのは「優勝できる戦力」というのは、【相対評価】で決まるということです。
例えば、ベイスターズの日本シリーズの相手である福岡ソフトバンクホークス。
今年のパ・リーグを圧倒的な成績で優勝し、CSまで完璧な勝ち上がりを見せました。
シーズンが始まる前からでも近藤選手や山川選手の補強などもあり「十分に優勝できる戦力」と評価され、実際に結果としてもそうなりました。
ただ、例えばNPBのパ・リーグに今のロサンゼルス・ドジャースが参戦して来るとなったら、ホークスは「優勝できる戦力」と言われるでしょうか?
日本で無双していた山本由伸投手を擁し、NPBでは40-40の達成者すらいないのにメジャーで50-50を達成した大谷翔平選手を始め、ベッツ選手・フリーマン選手の"MVPトリオ"を中心として、世界一を争う舞台に立とうとしているチームと比較しなければならなくなったら、今現在のホークスの戦力が「優勝できる戦力」かどうかというのは難しくなります。
つまり「優勝できる戦力」というのは、ある基準の戦力値に到達したらそう評価されるという絶対評価ではなく、同一リーグ内の他球団との比較の中で総合的に上位であるかの【相対評価】なのです。
もう1つ、監督のレギュラーシーズンの役割とCSの役割が大きく変わる事も皆さんはご存知でしょうか?
レギュラーシーズンの監督の役割は【マネージャー】です。
一方でCSの監督の役割は【リーダー】です。
今シーズンの三浦監督は、この両面で優秀な監督である事を結果で示しました。
143試合を戦う長丁場のレギュラーシーズンは…
・選手のコンディション管理という側面での【マネジメント】
・選手の契約内容(出場機会の保証がされている場合や出来高の成績達成への配慮など)の履行という側面での【マネジメント】
・将来のチームのために若手選手への投資を行うという側面での【マネジメント】
・上記とのバランスを考えながら勝ち星を積み重ねて優勝やCS出場という最終的なチームの目標にたどり着くための試合の采配という側面での【マネジメント】
etc…
あらゆる側面でマネージャーとしての能力を問われます。
これが短期決戦で試合結果のみを問われるCSになると、監督の役割も変わります。
・レギュラーシーズンに積み重ねた対戦相手の情報を的確に選手たちに落とし込み、対応方法を徹底する【リーダーシップ】
・選手個々の現状の能力や状態を的確に把握し、適材適所に起用する【リーダーシップ】
・試合の中での状況変化に対して、臨機応変に的確な戦略、戦術を選手達に再徹底する【リーダーシップ】
etc…
こうしたリーダーとしての能力が重要になるわけです。
三浦監督の場合は、このレギュラーシーズンでのチームの目標と、CSを勝ち抜くという結果をいずれも達成している監督なので、【絶対評価】として、どちらの能力についても現状全く問題が無い優れた監督と言えるでしょう。
なので、ベイスターズが来シーズンにリーグ優勝をするため、さらに進化出来るかどうかの鍵は【相対評価】としての「チームが優勝できる戦力になったかどうか」になります。
その点において、長年低迷していたベイスターズというチームの欠点は「レギュラーにはタイトルホルダー級の選手がいるけど、控え選手は他チームに行ってもレギュラーを狙えそうにないくらい実力差が隔絶していて層が薄い」という部分にありました。
ベストメンバーがずっと試合に出続けられれば優勝できる戦力。
それは、非現実的で本当の意味での優勝できる戦力ではありません。
しかし、ベイスターズは今シーズン、ファーム優勝を飾ることができました。
さらに、当たり外れが大きいと言われる助っ人外国人選手達を、ベイスターズはかなり戦力化する事に成功しているチームです。
その上、現役ドラフトや戦力外選手を上手に活用する事で、これも大きな戦力に繋げる事が出来ています。
着実に層の薄さという欠点はDeNAになって以降、小さくなってきています。
しかし、ベイスターズはそれらの編成の成果によって、ようやく高いレベルの競争が始まったばかりのチームです。
これから行われるドラフトや、FA戦線の結果によっても各チームの戦力図は大きく変わります。
少なくともそれらがひと段落するまでは、ベイスターズが優勝できる戦力かどうかは分かりません。
ですが、私の評価としては三浦監督という既にマネージャーとしてもリーダーとしても優秀である事が結果で示されている方が続投して下さるというのが、ベイスターズが更なる進化を遂げる土台に必要だと考えています。
仮にここで、別の監督に変わるという事になれば、その監督がマネジメントとリーダーシップ双方で優れた方かどうかというのは分かりません。
チームとして進化出来るかどうかという所にもう1つ不確定要素が加わることになってしまいます。
オフシーズンの動きもしっかり見つめながら、ベイスターズの進化と成長をファンとして楽しみつつ、応援していきたいですね。
長々と書き連ねてしまいましたが、まずは週末から始まる日本シリーズ!
ここに全てを賭けてベイスターズの選手、首脳陣にはもう一度戦ってもらえればと思います。
私たちファンもその背中を全力で後押ししましょう!