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【大学化学への梯】色を持たないものは存在しない?

こんにちは  やまたくです。

こどもの日ということもあって【大学化学への梯】を投稿しようと思いますが、今日は少しレベルを下げて小学生からでも楽しめる内容にしてみました。


色って何だろう

本棚を整理していて見つけた、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると 彼の巡礼の年」が発売されてからもう7年が経過していることに驚きを隠せないのですが、このタイトルにある色彩とは何なんでしょうか。

本の内容に関しては是非読んでいただきたいので触れず、今日は科学的にのことについて紹介しようと思います。

結論から言ってしまうと、科学的には無色ということになります。

しかし、日本人は実に豊かな色彩感覚によって白は白色、黒は黒色、その中間の色は灰色と言ったりします。(他にも鈍色、白銅色、卯の花色など様々あります)

なので人間の認知としてはあらゆるものはを有しているということになります。


色と光の違い

赤いカーネーションは当たり前ですが赤色です。

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一方で赤信号も赤です。

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両方とも「赤」と表されますが、全く別物です。

一番の違いは夜も赤く見えるかどうかです。

カーネーションは暗闇の中では色は見えません。
しかし、赤信号は夜中でも見えます。(むしろ見えなければ困ります)

この違いは自ら「発光するか、発光しないか」ということになります。

具体的には赤信号は630 nm の光 (電磁波) を放出していますが
カーネーションはそんな光は放出していません。

ではカーネーションはなぜ赤く見えるのか?

それは太陽や蛍光灯の光を反射しているからですね。

反射して目に届く色が赤いから私たち人間は「赤いカーネーション」を認識できることになります。

ではその目に届く色が赤信号と同じ630 nm 程度の光なのかというとそうではありません。赤いカーネーションが反射している光の色は大雑把にいうと 500 nm 前後 (青緑色の光) の波長の光以外全て反射しています。

すなわち、カーネーションに照射された光はその一部のみが吸収され、残った光のみが反射光として私たちの目に入り赤として認識されるということになります。


残った光は何色なのか?

カーネーションの例では青緑色の光を吸収することで反射されてくる光の色が赤色になることを説明しました。

では何色が吸収されると何色が見えるのでしょうか?

これを教えてくれるのは下に示す色相環です。

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この色相環において対角線上に位置する色のことを補色と呼びます。

ある色が吸収されたときには、色相環で対角線上にある補色が目に届くという法則があります。

すなわち

太陽光(無色) − ある吸収される色 = 見える色 (補色)

ということになります。

カーネーションの例を思い出してみると、カーネーションが吸収する青緑色のちょうど対角位置にある色が赤色なことがわかりますね。

あらゆる物質の色彩は太陽光(無色) − ある吸収される色 = 見える色 (補色)に基づいて発色しています。

終わりに

実は初回の【大学化学への梯】でフェノールフタレインの発色について解説したのですが、いきなりレベルが高すぎたのかあまり読んでもらえなかったので今日は色の基礎に立ち返ってみました。

もし今日の投稿で色に興味を持ってもらえたら、小学校・中学校でも使うフェノールフタレインの発色理由について述べた記事があるのでぜひ読んでもらえたら嬉しいです。


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やまたく
ご愛読いただきありがとうございます