日本語教育と”書道”の関係。
私が日本語を教えている対象は、いわば、趣味で日本語を学ぼうとする人たち。アニメやマンガ、ゲームがきっかけとなって、日本語に興味を持った人たちが大半です。
大学の日本学科や日本語専攻とは違って、オトナの教養として楽しく勉強できたら良いのかなーーーーーと思っているのは、確か。とはいえ、一応、”日本語”を教える場なので、教室で、”日本文化”紹介の時間に多くを割くのは、ちょっと違うのかなぁ、、、と思っております。
日本文化と日本語は密接な関係といえども、やはり、日本文化を教えることと、日本語を教えることは、全く別物だと思うのですよね。なので、私の授業では、日本文化をテーマとしてとりあげて紹介することはあっても、ワークショップ的に時間を割くことはしてきませんでした。
そんな中。。。
日本語教育の一環として、”書道のワークショップ”をやってもらえませんか?というポーランド人の知人からのオファー。
日頃お世話になっているので、知人には出来るだけのことは返したいのはやまやまなのだけど、気になる点があれこれ…。
まず、私自身、書道を小学校の授業でしか経験がないということ。人に教えられるほどの素養はありません。。。そして、書道の道具は揃うのですか?という問題。
そもそも、”日本語教育”と”書道”の関連性が私にはイマイチ分からないのです。”書道”って、漢字を覚えるためにやるものではありません。なのに、なぜか、漢字を紹介して、筆で書いてくれというオファー。
どうしましょうか。(´・ω・`)
年始に、”書初め”として軽く書道をやってみるのは、まぁ、ありだとして、日本語教育の中で、突如、”書道”をやるって、どうなんだろうなぁ。。。
いろいろ背景を聞いてみると、どうやら、以前いた先生は書道を授業の中で取り入れられていたそうなんですね。どんなカタチで実施されていたのか、私には分からないのですが、「コピー用紙と、絵画用の筆と、黒インク(墨汁ではない)で書道ができる♪」と気軽にポーランド人の知人に思わせるようなワークショップだったのであれば、それはちょっと…と言いたくなる。(´・ω・`)
ポーランド人が、ポーランド人の考えで書道を解釈して、ワークショップなりを広めていくこと自体は、私は良いと思うのですね。ただ、明らかに誤った解釈の書道を日本人が広めていくことは、どうなんでしょうか。
おそらく、日本人が実施することで、現地の外国人にとっては、それが何であってもホンモノになってしまうわけで。。。
知人のリクエストに応えたい気持ちは一杯だったけれど、今回は、あえなく断念。もっと、何か違うカタチで応えられたらなぁ。。。。。
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