「模試の受け方・活用法」を中学受験のプロに聞いてみた
【1】模試の結果をうまく活用できていない?
結果だけを見て一喜一憂する保護者は多い
模試の結果を受け取ると、真っ先にどこを見るでしょうか?ついつい偏差値と志望校の合否判定を見てしまいませんか?「良かった」「悪かった」と結果を見て喜んだり悲しんだり・・・まさに一喜一憂ですね。
子どもは結果を他人と比べてしまう
子どもたちにとっては、この結果によって塾内のクラス編成が変わったり、座席順が変わったり、どうしても他の受験生と比べられるものとして、保護者が思っている以上に感情が動き、ストレスになっていることがあります。
受験対策の方向性を確認するための貴重な情報源
模試の目的は、現在の自分の学力を知るためのもの。併願校を含めた最終的な受験校を絞り込むための目安になりますし、自分の得意や不得意な単元を把握することができるものです。
大切なことは、子どもも保護者も結果に一喜一憂しすぎず、そこから得られる情報を最大限活用し、その後の受験対策をより良いものに軌道修正していく、そういったきっかけとして模試を利用することです。
模試の仕組み、効果的な活用法 正しく理解するために
とはいえ模試の種類も回数も多く、受験生本人はもちろん、保護者もその効果的な活用法についてわからないことも多いのではないでしょうか。
そこで中学受験のプロともいえる、教育プランナーの視点で見ていきたいと思います。
【2】学年や志望校によって変わる模試の位置づけ
4,5年生にとっての模試
“どの学年”の“どの時期”に“どの模試”を受けるのかによって模試の位置づけは変わるものです。
4,5年生では、「最後まで集中力が続かなかった」ということがあります。
模試に慣れ、模試で正しく学力を計れるような状態をつくる時期です。
そのため試験でしっかりと力を発揮できるように慣れていくことが大事です。
模試の事前練習として、時間を計って問題を解くこと。そして問題に取り組む時間を少しずつ延ばして集中力を持続させること。
「大問ごとに深呼吸をしてみよう!」と、コンディションを整える練習をすることなどを普段から行うと良いです。
そうして5年生で時間配分の意識を持てるようになるとなお良いです。またケアレスミスを防ぐような見直しの習慣もこの時期につけたいものです。
6年生は夏休みの前か後かで活用の仕方が変わる
また6年生であっても、夏休み前までの模試では5年生までの復習や多くの中学校に共通してよく出題される問題が多く出題されるため、苦手分野を知り“夏休み中の勉強で何に重点を置くのか”といった学習計画を立てる材料として活用すると良いでしょう。
夏休み以降の模試では6年間の総復習や中学校ごとの出題傾向やその年のトレンドを反映した入試予想問題等が出題されるため、少しずつ受験校を絞り込むための参考資料として活用していくと良いでしょう。
さらに解答の仕方を分析することで“残りの期間でさらにどれだけ成績を上げることができるのか”といった予測を立てるための資料としての価値もあります。
志望校によって、受けるべき模試を見極める必要も
全国には様々な模試があります。
自分の志望校の合否判定が適切に行われるように、受けるべき模試を選択しなければいけません。
さらに受験生が多い首都圏では“首都圏模試センター”が実施する模試や、塾が主催する模試など複数あります。
模試ごとに出題範囲が異なり、受験者の学力層にも偏りがあるため、偏差値が示す学力や志望校の判定基準が違います。
学年や志望校によって違う、模試ごとの位置づけと目的を受験生も保護者も正しく理解することで、模試を受けるときや返却されたときの心構えが変わってくるのではないでしょうか。
【3】受験のプロである教育プランナーによる模試の活用
問題用紙と答案用紙を一緒に振り返る
教育プランナーは生徒と保護者との三者面談をするとき、模試の結果をもとに話をすることがあります。
この時、偏差値などが書かれた結果表だけではなく、問題用紙と答案用紙も一緒に見せてもらいます。
間違いだらけの答案用紙、そこから見出す可能性
―模試結果に落ち込む親子。間違いだらけの答案用紙を見た教育プランナーは・・・
保護者や本人は結果だけを見て、点数が低い、偏差値が低い と感じてしまいがちですが、答案用紙には時間いっぱいびっしりと解答を書いた痕跡が残っていることがあります。
最後まで諦めずに問題を解こうとする姿勢は試験を受けるうえでとても大切だと伝えます。
不正解の原因を知ることで、得点化できる問題がわかり、モチベーションが上がる
―「親には見せてないけれど・・・」と、答案用紙をこっそりと教育プランナーに見せる生徒
模試の結果を保護者に見せたがらない生徒もいます。それでも教育プランナーにはこっそりと結果を見せてくれることがあります。
たしかにあまり点数が良くない答案がそこにはありますが白紙ではありません。
よくよく見てみると途中式の書き方が悪くて計算ミスをしている問題があったり、うろ覚えの漢字だったり・・・。
「あとちょっとのところで点数が取れた惜しい解答がこんなにあるよ!」ということを伝えてあげると、「次の模試ではそうならないようにする!」と本人が前向きな姿勢に変化する、ということもあります。
▼教育プランナーによる中学受験サポートについてはこちらの記事もご覧ください▼
【4】模試の結果と答案は未来を変える宝箱!活用法は受験の専門家に聞いてみて!
はじめての中学受験、わからないことが多くて当然
これまで模試の活用方法に触れましたが、保護者が数多くある模試の意味を全て正しく把握するのは大変です。
やはり返却された結果を前に動揺をしてしまったり、必ずしも冷静でいられなかったりすることもあると思います。
模試結果の活用などの受験情報に関することは、塾や家庭教師などの受験の専門家を頼ることをおすすめします。
受験のプロと話す機会がチャンス!
子どもと保護者が一緒に受験の専門家のアドバイスを聞く場面を定期的に設けられることが理想です。
塾の先生や教育プランナーとの面談の機会を活用してみるのが良いのではないでしょうか。
その際には模試結果だけではなく、問題と答案用紙も一緒に見てもらいましょう。
“未来を明るくする”ヒントが得られるかもしれませんよ。
【中学受験対策に強いトライのプロ家庭教師と教育プランナーが模試を活用して志望校合格へ導きます】