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美術工芸に触れた日

門司港美術工芸研究所20周年記念展が開催されている北九州市立美術館 分館に行ってきた。

場所は小倉駅からほど近く、リバーウォーク北九州の五階。入場無料だった。

入口は五階だが展示自体は四階にもある。

入口すぐの年表

久々に触れる美術・芸術の分野に、背筋がしゃんとした。

つい先だって豊島美術館に行って美術というものに触れてはいたが、あれはどちらかというと島旅という部分が大きかった。鑑賞したのも一点のみだったのでそこまで美術に触れる時間が多く取れたわけではない。

絵画、工芸、そういったものに触れるのはなんだか久しぶりのように感じた。

館内は撮影OKということで、気になった作品は積極的に撮影させてもらった。とはいってもスマホでパシャパシャ撮ったので記録程度だ。


入ってすぐ、左手にある作品。

緑、黄、青と三色並んでいる
作者は濱崎孝洋氏

なかでも一番心惹かれたのがこの作品。
キャンバス生地のトートバッグ等にプリントしたらそのままグッズ化出来そう。あれば絶対買った。
写真ではうまく伝わらないのが惜しいが、この作品の前ではついつい足を止め、目を止め、息を止めて見入ってしまった。
私は存外、青色が好きなようだ。


浮く絵画

壁に飾るのではなく、枠組みを用いて浮かべている様相に、思わず四方からぐるりと回ってみてしまった。
錯視効果もあるのか、妙な感覚に陥った。
それこそ、瀬戸内国際芸術祭に見るような作品と近い感覚を得た。


四階に並ぶ作品の中ではこちらが一番私の好みだった。

作者は前田亮二氏

この作品の主たる部分は染色だ。
透かしで絶妙な色合いに見えるのが美しく、染め物に関しては私の興味のある部分であったためここでは多くの時間を割いて作品を鑑賞した。

なかでもこちら。
ワイヤーで枠組みされたであろう四角の中に様々な形が存在する。
そしてその色の重なりで色彩は深みを増している。
同系色の青はより深い藍の色に。
緑と黄の重なる部分もまた青になるが、純粋な青とはまた違った色合いになっている。

三角、四角、八角形、長方の台形、丸。さまざまな形が存在していた。
3Dクリスタルのようにガラスの中に閉じ込めてあればさぞ綺麗だろうなと考えた。
小さな四角一つずつ、グッズとして販売してあったら買う。

これが重力に耐えうるものなら、壁面に飾れるとなお面白いかもしれない。

大外の白い枠組みを外し、これに日の光が当たれば、伸びる影も色を帯びるのだろうかとか、経年変化で色褪せていくのだろうかとか、そういうことを考えてみたりした。

興味深いのでしゃがみこんでまじまじと見てしまった。


美術館というのは作品を余白をもって並べる。
それはデザインの世界に通ずるものがあるなぁ、と感じた。

美術館、博物館は一見すると無機質なものの集合体のようだが、それでいてそこに含まれる感情や、そこから生まれる気づきやひらめきは、あらたな生命の誕生のようでもある。

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