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黄金のレガシー感想|紅蓮との対比・今後期待したいこと

書き手はff14歴8年、ストーリーがとにかく大好きで、戦闘に全く興味ないままに漆黒をクリア。
過去にない完成度の高さのストーリーに当時とんでもなく感動し「私ってメインジョブのことを何も理解していない、ゲーム下手くその身で何が英雄か!英雄と呼ばれるにふさわしい振る舞いをしなければ!」と、一転して木人を殴り始め今はレイド勢になりました。極すら行ってなかったのに。

一番印象深い瞬間はテンペストに到達したとき。
謎の建築物を探検しながら、かつての住人ってどんな人たちだったのかな?と考えていたところに遠くにアーモロートがぼんやりと見えてきて、マウントでなんとか徒歩で近寄っていくうちにどんどん現れる摩天楼の景色。

はるかに進んだ文明の街


私はとんでもない超文明を敵にして世界を守ろうとしているんだという恐怖感と、敵とは思えないブルーを基調にした穏やかな街並みとのギャップ。
得体の知れなさ、もの悲しさがあるのにひたすら眺めがよくて綺麗な景色が眼下に広がっていて、感動して泣いてしまった日を今日のように思い出せます。
そんな人間が感想をダーッと書きなぐってみます。

全パッチ好き順で並べてみた

これみんなやってるんですけど、起承転結それぞれの話で面白く感じるのって転結あたりになる(漆黒暁月)のは当たり前の話だと思っているので、ここでは演出だったり、心が動いたな!みたいな観点で並べてみます。

漆黒>暁月>蒼天>紅蓮 … この辺に黄金 … 新生

プレイヤーの中で紅蓮は特に評価が分かれている印象で、今回もチラ見した感想では紅蓮と黄金どっちが面白いかみたいな議論が悪い意味で行われていたのをSNSでいくつか見た記憶があります。
結構酷評されがちだけど私は紅蓮が実はかなり好きでして、どこが好きなのかをまとめてみました。そうしたら黄金がなんでこの下位にいるのかも説明ができそうだなと。

紅蓮のココが好き:帝国主義をめぐる群像劇

帝国主義って平たく言うと弱肉強食の価値観での統治で、勝者こそがすべてを手に入れられて、敗者はすべてを奪われようが仕方がないという考えの国の進め方だと理解してます。
負けてしまうとすべてを奪われる恐怖が常に統治側にはあるので、周辺の国どころか統治した国々のことすら信用できない、なんとしてでも力でねじ伏せたり抑え込んだり取り込もうとするんですよね。
そういう近現代の帝国主義の動き方を、紅蓮ではかなりうまくゲームに落とし込んでいるように思えて好きでした。
私は史学科出身の人間なんですが、多少なり史学かじっていると、リセのようなイレギュラーはいつつも、国々の政治の動機や状況があまり矛盾していないので、ストレスなく話に没頭できました。イレギュラーが多少暴れてもそれもまた味になるというか、私はその濃淡が面白かったです。

統治されている側・負けた側の国家の描写もうまくて、ff14でいうところのアラミゴなんかが特徴的なんですが、もうどうしようもないぐらい内部がグズグズだし、周辺の国にも過去に攻め入っちゃったりで助けも求められない、もう本当にどうしようもない状況だったので、アラミゴが全部が全部可哀そうかというとちょっと自業自得なところもあったりしませんか?
スカラでは化け物にされたかつての皇族たちをブッ倒し、かといえばお嫁さんのために用意された屋上庭園の綺麗な花畑なんかも見せられて、この暴君ってホントに暴君だったのかね?みたいな、語り手で変容する正史すら存在しないカオスな状況…。
内乱が起きたりしてグチャグチャした国はたいてい容赦なく征服される近現代史の様相を、めちゃめちゃリアルにゲーム内で表現しているのに、現実のいろんなバックグラウンドのある国々の人に対して、かなり配慮された・受け入れられるように話を作っているのが本当に凄い。

理不尽だし虚しいし一人ではどうにもできない戦場を必死に駆け抜け、仲間と立ち向かい、自分たちの文化と誇りを取り戻す!!という現実と夢をうまいこと織り交ぜた熱いストーリーが大好きなんですよね。

紅蓮のココが好き:曲と景色が最高

東アジア・モンゴル・中東エリアとモデルにしている国々で民族文化がくっきり割れているのが新鮮で好きでした。

羊かわえ~~~


東アジアの文化圏に触れ、ままならない情勢に悩みながら途中でモンゴルに飛ばされて、外のことあんまり興味ない民族の内輪のお祭りに乗り込んで仲良くなっちゃう。みたいな。
赤ベースできらびやかなクガネ・青色と緑色がまぶしいアジムステップのほかにも、塩湖が広がる茶色の世界に行って…テレポすると価値観も信じている神様も全部違う人たちと出会えるので、本当に旅をしている気分になるというか、メリハリが効いているのがよかったなと。
このあたりの雰囲気の違いが好きで、私はシロガネに家を買いました。ハウス経由すれば紅蓮エリア多少は安く行けるのでね…。

紅蓮のサントラ世界一好きですね。もう全部好きです。

本題、黄金のレガシーの感想

じゃあ黄金はどうだったの?というと、グラフィックアップデートが強すぎて観光気分で新しい街に行くのが毎度楽しみで心躍りましたね!!

は~~…

トライヨラのお宿もものすごく素敵で、プレイしていて声上げちゃいました。道すがらの森・海すべて美しくてついつい足が止まってしまう感じ。
音楽も素晴らしかったです。世界観に没頭できました。

美しすぎる

そんな楽しめた瞬間はありましたが、反面ストーリー面が全体的に浅い印象でした。
黄金のため有給を取得したものの、なんだか話を追うのに疲れてしまって続かず、有給取らなくてもよかったな…やっぱ漆黒から数年経って歳とっちゃったのかしら。なんて思っていたのですが、自分が納得のいく展開になった途端ぶっ続けでやりはじめたりしたので、ストーリーはnot for meだったみたい。
どの辺が当初の私の期待値とギャップがあったのかも書いてみます。

黄金のココが気になる:ちょっとメタい

前半が蛮族クエとジョブクエ混ぜたおつかいを永遠にやらされている感じがちょっと辛かったです。このあたり言語化できないでいたのですが、いろいろな方の感想読んで私なりの言葉に置き換えると、Encyclopaedia Eorzea(ff14の設定資料集)を映像化して見せられている感じ。
設定資料集全部買ってますが、ボリューミーなのでちょっとずつ毎度読んでいます。新しい情報・歴史、そういったものすべてが黄金ではムービーで説明されるのですが、人物がそういう説明のためのギミックになってしまっている。
黄金のキャラの動きでは、私は漆黒のようにレイド行って強くなろう!とはならないかな。自分事にできないというか…。
今回地名も人名も日本人にはなじみのない響きなので、頭に入らないし、座学は良いからそんなことより体験したいぜ!となっていました。

私が深読みしすぎているかもですがメタいな~と思わせる箇所もあって、
今回たぶん伝承(受け取って、伝えていく)が大筋のテーマだと私は解釈したんですが、ゲームの作り手そのものの体制がなんかうっすら見えてきてしまう感じがしました。
以前から石川さんがメインライターから降りる話をされたり、後輩を紹介されていたりするし、祖堅さんも若手に曲をたくさん任せ始めている(天獄3層作った新人さん、凄かったですね…最高でした。)印象があって、次世代育成のために黄金パッチを新世代に任せているのだなあとPLLでも感じてました。
偉大なる初代王に背中を押されて未熟ながら王を目指す若手たち、これはスクエニの若手たちかなあ?
でもグルージャジャ…こうなることは分かっていたのなら、後任育成すべきじゃなかったのかなあ…スクエニもここ最近で話の書きっぷりが変わってしまって、もっと育成期間を設けてグラデーションにはできなかったものかなあ…。
いままで作り手の影はクリア後に感じていたのが、今回遊びながらこういうこと考えてしまっていたんですよね。

黄金のココが気になる:死生観

今回のストーリーは私と価値観の違う方が書いているなと思う瞬間は大なり小なりありましたが、一番ギャップがあったのは死生観について。

具体的には天深きセノーテに眠る生まれなかった子供たちの話。
これって出生前診断や中絶の話など、リアルで議論になっているものと近いですよね。
私は個人的には生まれることができなかった子供たちへの罪ってそこまで重いものなのか?みたいな疑問があって、ほとんど生まれることができないということは遺伝子異常なのか…生きられない身体で命を作ってしまうことを罪としてしまうと、同じマムージャ族でもうろこの色が違う者同士の婚姻も罪になるし、そもそも発育できないで亡くなる赤ちゃんって不妊治療の領域の話に近くて、これを否定したり悪いこととするって結構危ない気がします。不妊治療中だったり、不育症の人だと悲しくならないかしら?と思いました。
(加筆修正)家父長制とも絡められるし深いテーマに触りながらも、わざとなのかアッサリした背景描写で物足りなさと危なさを感じたり。

もし私が書き手だったら、「貧しい村だから、双頭で生まれなかった子供は殺すしかなくなり間引いている」「双頭の子供を産むためにたくさんの女性が嫌々卵を産まされている」とかにするかもしれません。
この辺の文化もメインで詳しく語られなかったので未消化です。サブクエであるのかな?サブクエ前提のお話は個人的は好ましくなく、やはりメインで十分に描いてほしいところ。

永久人も中途半端のように見えました。死後の世界を楽しんでいるように見えて、楽しむ要素少ない箱庭でNPCらしくウロウロしていて、馴染みの人とまた出会えてハッピー…それだけ?みたいなことを感じました。

永久人と話していても、このフィールドワーク感のなさ、実感のなさはなんだろう…


ここもいろんな方の感想を見ていて、反逆しない・都合のいい人しか永久人にしなかったんじゃないかとか、永久人も調整されていてそういう負の感情を排除されているからなんじゃないか、という解釈を見てはじめて、この箱庭エリアに納得がいきました。これ公式はない状況だと思うので、正解は設定資料集待ちになるのかな?

ここを「含みを持たせている」「考えるスキを作っている」と好意的にみている方もいるなか、私はあまりそうは思えず…。答えのないお話は好きなほうではあるんですけどね。
それならばもっと演出で語ってほしいな、と思いました。

総括

私はウクラマトはじめ黄金で出会ったキャラみんな好きだったので、新メンバーはウェルカム!という感じなのですが、私がすきだったff14のお話の味付けと今回かなり変わってしまった印象を受けて戸惑ってはいます。

余談ですが、私はFateは好きですがFGOは第二部からプレイはやめているんですよね。ライターによって雰囲気がころころ変わるジャンルは疲れてしまう。ゲームシステムが好き、という人はついていけるのかも。
元に戻せということを言いたいのではなくて、次回のパッチからでいいので、ユーザーがいままでのff14の何が好きだったのか・どこのシーンが人気だったのかを、今回新しくアサインされた書き手さんは改めて振り返っていただいてもいいかもしれません。

いろいろここが気になるだの言ってしまったけど、ff14が大好きで期待値がとんでもなく高くなってしまっている我儘ユーザーの主張ではあるなととらえていただきつつ、繰り返すようですが景色・音楽・新鮮なギミックどれも楽しかったです。これからの起承転結の承転結以降の話を期待しています。

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