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人生は遠回り ⑴

「なるべく良い大学に入れれば良いかなあ」となんとなく私立の進学校に入学して、結局勉強は全くせずに高校生活を謳歌していた。それでも後半になってくると、クラス全体の雰囲気が"大学受験モード"になって来る。自分は特に行きたい大学も無かったけど、唯一興味がある事は絵を描く事と英語だった。「美大に行くか外語大に行くかか、、、どうしよう。」一応迷ってはみたものの、美術予備校に通い始めるには時期が遅過ぎるし、ろくに勉強もして来なかった自分に外語大受験は難しそうだった。

どうにかこうにか受験戦争には参加せずに好きな事だけを全部やりたかった自分は、アメリカの大学でデザインを学ぶ事にした。

高校を卒業してから1年間は、東京のインターナショナルスクールに片道2時間半かけて通い、毎日寝る間も惜しんで英語を勉強した。1年後、無事にカリフォルニアの大学にアート専攻で入学して、2年半かけて卒業した。

自分は今年22歳になり、この春からまた日本の美大に編入する。

せっかく人生の夏休みに訪れたプールに人より長くぷかぷか浮かんでいるので、これからまた美大生として生きる3年間の話とたまにこれまでのことを振り返った話を人生奮闘日記としてここに書き留めることにした。

もしどこかの誰かの目に止まった時、「こんなのんびりした奴もおるんやなあ」と少しでも面白がってもらえることと、自分で後から見返した時、「こいつは何を言うとんねん」と笑えることを願う。

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