黒いケモノと冒険の旅に出た話 #03 - キャラメルポップコーンが降る空
今年もまた、この季節がやってきた。
今日は春を告げる森の妖精とも言われるミツマタの花を探しながら歩く。
ミツマタは低木の落葉樹で、その樹皮は固く繊維がしっかりとしているので、昔は和紙に使われていた為多くの地域で栽培されていた様だが、現在はパルプに押され、目にすることも少なくなった。
冬になると葉が落ちてしまうのだが、新春の頃になると3っつに分かれた枝先に、白い蕾が付き始める。
その蕾の部分をよく観察すると一つに見えていた蕾は、小さな花が30個ほどの集まっており小さな花束の