星ヶ丘高校吹奏楽部の物語(2)
今日は、星ヶ丘高校吹奏楽部の体験練習日2日目だ。私は、昨日と違いワクワクした気持ちで音楽室のドアを開けた。やっぱり、昨日早苗先輩からゆかりと呼ばれていた先輩が1番に気づいてくれた。
「美紅ちゃんだったよね。おはよう。」
「ゆかり先輩、おはようございます。今日もトランペットのところに行ってきます。」
「いってらっしゃい。今日もがんばってね。」
「はい。」
そういって美紅は、早苗先輩たちのいる場所に行った。
「早苗先輩、おはようございます。今日もよろしくお願いします。」
「美紅ちゃん、おはよう。こちらこそよろしくね。昨日練習してた基礎練とか今日もやってみよっか。」
「はい。」
「実子ー、美紅ちゃんに昨日の続き教えてあげて。わたしは、他の子見てくるー。」
「OK。美紅ちゃんよろしくね。」
「よろしくお願いします。」
練習していると、早苗先輩が別の女の子を連れてきた。
「この子は、吉田里愛ちゃんよ。この子も経験者、中学校のときから吹部でトランぺットをやってたんだって。里愛ちゃん自己紹介できるよね。」
「あ、里愛。久しぶり!」
「はい。星ヶ丘中学校出身の吉田里愛です。中学校のときから吹奏楽部でトランペットを3年間やってました。よろしくお願いします。」
「星ヶ丘中学校出身ってことは、美紅ちゃんと同じ中学校だったのね。」
「はい、美紅とは、3年間同じ吹奏楽部で同じパートでした。」
美紅は、中学校時代仲のよかった里愛とまた一緒にトランペットを吹けることがわかってうれしい気持ちになった。しかし、里愛は、美紅と同じ吹部だったことをめんどくさそうに言っていた。
昨日と同じように先輩たちも自己紹介をした。
里愛は、早苗先輩に基礎練などを教えてもらっていた。そうして時間がたつとこの日の体験練習もおわった。美紅は、里愛に
「一緒に帰ろう。」
と、声をかけた。しかし、里愛は、
「なんで。」
と、冷たく振る舞った。美紅は、中学時代になにか里愛の気に障ることした覚えがないため、不思議に思った。
~登場人物紹介~
星ヶ丘高校吹奏楽部
<3年>
田中早苗(トランペット・パートリーダー)
井上実子(トランペット・副パートリーダー)
加藤ゆかり(フルート・パートリーダー)
<1年>
佐藤美紅(トランペット・仮)
吉田里愛(トランペット・仮)