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星ヶ丘高校吹奏楽部の物語(5)

美紅は、家から持ってきたマイトランペットを使って基礎練、音階などを吹いた。今、星ヶ丘高校吹奏楽部で練習している曲は、Paradise Has No Border(東京スカイパラダイスオーケストラ)だ。美紅は、この曲が大好きだ。その理由は、トランペットのメロディー、ソロがかっこいいからだ。高校の受験勉強の合間にいつも聴いていた。その曲を星ヶ丘高校で演奏できると知って、美紅はとてもワクワクしてきた。今日は、その曲を先輩たちが吹く合奏の見学ができる。そのことを早苗先輩から教えてもらって、美紅は、里愛のおかげで気分が下がっていたが、気分が上がってきた。「早く、合奏の時間にならないかなー」美紅は、そんなことを思っていた。美紅が早苗先輩から借りた、楽譜のパートは3パートだった。早苗先輩から曲を教えてもらっていると、里愛がきた。里愛は、

「早苗先輩、こんにちは。」

里愛は、早苗先輩だけにあいさつをした。「横に私もいるのに・・・」美紅はまた、悲しく残念な気持ちになった。「本当は、誰かにこのことを聞いてほしい。だけど、先輩たちに迷惑をかけるのは嫌だ。」美紅はそんな思いからだれにも相談できていなかった。

私(早苗)は、里愛ちゃんのことが気になった。私は、美紅ちゃんに曲を教えていた。しばらくすると、里愛ちゃんがきた。里愛ちゃんは、私だけにあいさつをしてきた。横には、美紅ちゃんがいたのに。体験練習2日目のときの自己紹介のときには、美紅ちゃんのことをうっとうしそうにしていた。私は、練習が終わった後に里愛ちゃんと2人で話してみようと思った。私はまず、美紅ちゃんに話を聞いてみようとも思った。

「美紅ちゃん、最近元気がないけどなにかあった?」

早苗先輩が聞いてきてくれた。美紅は迷った。早苗先輩に相談はしたい。けど、やっぱり迷惑はかけたくない。そんな気持ちでなかなか質問に対してなにも言えなかった。すると、早苗先輩が

「もしかして、里愛ちゃんとなにかあったの?」

美紅は、早苗先輩になら話してもいいかな。そう思えました。

「早苗先輩の言っている通りです。中学校時代、私と里愛は同じパートで仲がよかったんです。でも、なぜか高校に入ってからはなんとなく避けられたり、無視されたりされました。私は、里愛と中学のときみたいに仲良くしたいんですけど、どうしたらいいですか?」

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~登場人物紹介~

星ヶ丘高校吹奏楽部

<3年>
田中早苗(トランペット・パートリーダー)

<1年>
佐藤美紅(トランペット・仮)
吉田里愛(トランペット・仮)