02.なぜ「ハイノート本」なのか
みなさんこんにちは!
ブログ「ラッパの吹き方」を書いている荻原(おぎわら)です。
おかげさまで”note”をご覧になってくださった方も少しずつ増えてまいりました。ありがとうございます。
さて、前回「ハイノート本(仮)」を出版します!と発表いたしました。今回は、なぜ「ハイノート本」なのか、少しお話させていただきます。
トランペットを始めた中学生時代
トランペットを始めたきっかけは?と聞かれてほとんどの方が「学校の部活動」と答えると思いますが、僕ももれなくその流れでした。
入学式で聴いた吹奏楽部の演奏にいたく感動して、俺ブラバン入る!と即決で入部したのです。
当時は流行っていたこともあって、本当のところアルトサックスが吹きたかったのですが、サックスには選ばれずに第2希望だったトランペットになりました。
しかし当時、トランペットに中3の先輩がいなかったのです。正確に言うと、いたんです。ただ、いわゆる幽霊部員で、本番の日になるとなぜかいる(ちゃんと吹けていたかわからなけれど、もしそうだったら天才だったのかも)、という程度だったので教えてもらう、なんてことはもちろん一度もありません。
僕が中学生のときって、まだまだ上下関係とかすっごく厳しい時代でした。ですから中2の先輩は後輩を教えるなんてことは絶対にできず(今考えると笑えますが)、結局トランペットの先輩で教えてくれる人はいなかったわけです。
最初に受けたアドバイスという名の呪縛
そこで、トロンボーンの先輩が自分のパートついでにちょこっと教えてくれたのですが、覚えているのはこれだけです。
「口を横に引っ張って思い切りブーーー!って吹けば鳴る」
なんともパワフル。
情報がないって、本当に恐ろしいですよね。先輩がそう言うんだからそうなんだろうと、疑うことなく口を横に引っ張って思い切りブーーー!って吹いていました。
みなさんはもうおわかりでしょうが、この吹き方は完全にアウトです。
そんな状態でもなんとか吹いてしまっていた自分は、トランペットにのめりこみ、中3の時点で早々に音大に行くことを(ひとりで勝手に)決めて、高校時代もラッパのことしか頭にない典型的な「部活のためだけに学校に通う生徒」になっていました。
結局音大に進むことはできたのですが、最初に習った例のブーーー!という奏法の呪縛は自分の中に深く深く刻み込まれ、これが原因でなかなか上達しないまま音大時代を終えてしまったわけです。そしてこの頃から、調子の良いときとそうでないときの差が異常なほど開くようになりました。
ひどいときには自分がどうやって音の出していたのかわからなくなるほどで、「初心者が練習しているのかと思った」と言われたこともあります。
これではマズい。なんとかしなければ。
と思うようになり、自分がいったいどんなふうに体を使っているのかをじっくりと観察、研究するようになりました。
調子を崩しているときとそうでないときの些細な違いを発見しては、様々なからだの使い方を試すことで見えてきた音色やコントロールの変化をネタ帳にどんどん記録して、それを文字にして配信し始めました。それが、ブログ「ラッパの吹き方」です。
↑ネタ帳。ここに書いてあることは思いつきで殴り書きなので真に受けないでください(という部分があるかも)
ブログ「ラッパの吹き方」
「ラッパの吹き方」は同じようにトランペットの奏法に悩んでいる方の参考資料的存在になってほしいと思い、毎週火曜日に更新を続けています。なんと来年の4月で10年目に突入します。
おかげさまで今では毎月10万PV以上、月間でのべ8万人の方がブログに足を運んでくださっています。
ありがとうございます!
ブログを続けられたことで、実際に僕のところへレッスンにいらしてくださる方も増えました。現在では定期レッスンおよそ30名、講習会や特別レッスン(単発レッスン)も含めるとこれまでに(ちゃんと数えていませんが)100名以上の方に個人レッスンをさせていただいたのではないかと思います。
自分の研究の成果を伝えるよりも、生徒さんから学ぶことが多く、大切で貴重な経験になっています。
例えば、複数の生徒さんが「タンギング」に悩みを持っていたとしても、自分が「これがベストだ」と実践していることを同じ方法、同じ言葉で伝えても、それがうまくはまることはほとんどありません。したがって、まず生徒さんがどのような方法、考えでタンギングをしているのかを聞いたり調べたりして、様々な角度から考え、いくつもの方法を実践します。こうした生徒さんと研究していくようなレッスンをすることにより、広い視野でトランペットについて考えられるようになったと感じています。
「ハイノート」という壁
生徒さんの乗り越えにくい壁は、やはり「ハイノート」です。
僕のレッスンにいらっしゃる方もほとんどのみなさんが「高い音が出せないんです」とまず口にされます。
昔と違って今ではインターネットなどで情報はいくらでも入手できるようになり、部活動などでも外部講師として音大生やプロの奏者が伺うことが当たり前になってきました。
それなのにハイノートは未だ解決できない悩みナンバーワンのまま。
なぜ解決しないのか。
それはハイノートは「方法の積み重ね」によって出るからです。
高い音は「高い音を出す方法」を身につければ出せるわけではありません。
大切なことは意外にも基本的なところが多く含まれており、それらを順序よく、理解し、実践し、確実に積み上げていくことなんです。
もちろんレッスンではそういったアプローチで少しずつ積み重ねていけるような進め方をしています。
これをもっと多くの方に伝えたい。読んでくださった方が
今まで出せなかったハイノートが出せるようになった!
1stのパートを任せられるようになった!
ハイノートは苦労しないでも出せるんだ!
と、なってもらいたいと思い、それならばまず本にしよう、と思ったわけです。
演奏に使えるハイノート
僕が書きたいのは、吹奏楽やオーケストラ、クラシカルなソロなどに出てくる一般的なハイノート…High BbやCあたりを、中音域と同じ感覚で演奏できるようになることを一番の目的として考えています。ですので、どちらかというと、「ハイノートが出せる」のではなく「広い音域を演奏できる」といったほうが正しいかもしれません。
インターネットなどではたびたびハイノート出る自慢の動画が流れています。芸としてピューピュー高い音を出せるのは楽しくて良いかもしれませんが、そういうのを目指したい方への本ではありません。そういったものを望む方はこちらの動画を参考になさっていただければよろしいかと思います。すぐ出せるみたいです!
ということで、ダラダラと失礼しました。
“note”では今後展開する予定のハイノート本(仮)についてもう少し書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
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荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。