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4-9.音量変化
前回の記事ではダイナミクス(強弱記号)そのものについての解説をしました。
しかし音楽では突然強く、もしくは弱くなるだけでなく、徐々に変化していくことが多いわけで、その変化についても演奏者はイマジネーションを持って表現することが大切です。今回はそんな音量変化について考えてみましょう。
crescend/decrescendo/diminuendo
楽譜に出てくる最もポピュラーな楽語(記号)は以下の3つです。
[crescend(クレッシェンド)]
音楽では「次第に強く」ですが、イタリア語そのものとしては「成長する」「増える」などの意味があり、楽譜上ではcresc.と略記されることが多いです。また、記号では以下のように表すこともできます。
[decrescendo(デクレッシェンド)]
decrescendoの「de」というのは、否定の意味があるので、「クレッシェンドではない」ということから音楽では「次第に弱く」という意味で使われるようになりました。楽譜上ではdecresc.と略されることがあります。
[diminuendo(ディミヌエンド)]
crescendの反対の意味で、「減少する」「低下する」などの意味があり、楽譜上ではdim.と略記されることが多いです。以下のように記号で表すこともできます。
デクレッシェンドとディミヌエンドは、音楽上ほぼ同じ使われ方をするために、人によってどちらを使うかが分かれますが、「増えない(decresc.)」と言うのか「減る(dim.)」というのかの違いにしかすぎず、結果的には同じであると解釈してしまって構わないと思います。
何の変化なのか
さて、前回の記事でも書いたように、強弱とは単にデシベル的音量によるものではありません。
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