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高音フライスクリーム発声に低中音域に移行する際に起きる音圧と音量が低下する現象についての解説と対策について

自身のレポートからの引用になりますので読みづらいかもしれませんがご容赦頂ければ幸いです。仮説を多く含みます。

※かなり過去に書きなぐったものなので現在は異なる見解を持つ部分があるを先に言っておきます。便所の落書きのようなものだと思って下さい。

今回の要旨


「フライスクリーム発声時に低中音域に移行すると起きる音量・音圧が低下する現象と,対策について」

はじめに
フライスクリーム発声とは,
閉鎖した声帯に過剰な息を通すことで歪んだ音を出す発声の一つ.
主に高音域で使用されることが多い.
国内でも様々なアーティストが使用している発声になります.
例・ONE OK ROCK,Coldrain,crossfaith,マキシマムザホルモン,等

本動画ではこの発声法で中音域(4F~4G以下の音域)を歌った場合に起きやすい、
音量や音圧の変化・演奏者がその際に覚える違和感・発生の代替案

について解説します.



1.はじめに / フライスクリーム発声の原理

以下、私の見解になります.

Crycothyroid muscle(輪状甲状筋)により、伸展し、ギターに例えると弦を強く張った状態
(振動しやすい状態)になった声帯を、
伸縮・閉鎖させる筋群の作用を用いて過剰に閉鎖させた状態を作り,
そこに圧力の高い空気を通す事で声帯の振動音を増幅させ,音声として利用する発声法.

音量の増減は通す空気の流速,圧力,空気量,骨格,等の変動要因を持つ.

2. 何故中音域以下で音量が下がってしまうのか

声帯の振動速度は,

フライスクリーム発声において,発声者の呼気の流速は100 m/s 以下であることが予想される為、非圧縮性流体として扱う.

非圧縮性の理想流体はベルヌーイの定理の定義条件に合致する.
ベルヌーイの定理は簡略に説明すると,
運動エネルギーと圧力の2つの力の和が一定であるので速度が速くなると圧力が下がり逆に速度が遅くなれば圧力が上がる現象の事である.

先ほどフライスクリーム発声においては、
ギターに例えると弦を強く張った状態
(振動しやすい状態)になった声帯を閉鎖させ、高圧の空気を当て振動させると書いた.
この状態は息漏れが少ないことから息漏れによるエネルギーの損失は無視する.

そしてこの状態から音域を下げていくとどうなるか検証する.
まず,前提として低音域に行くほど伸展が弱まる.

※ サンプル音声 


このように声帯の振動速度は低下する.

流速も低下する事から,先ほどの定義に当てはめると,
声帯への圧力は上昇してしまい,その結果振動部位が小さい状態で圧力が高まるせいで十分な音圧が出ないと私は考えている.

3.対応策

対応策として,

1, 声帯の伸展率を落とし,声帯の振動部を増やす
2, さらに声帯閉鎖を適切な強度まで緩め,仮声帯の振動を利用し音量を補正する. 
1について裏声要素の少ない発声をすることで声帯の振動部位を増やすことが可能であり,一時的に音量を稼ぐことができる.
しかしこの場合,声帯にかかる圧力が高く,ダメージを負いやすいという問題点もある.



声帯にかかる圧力を低下させながらも,音量が稼げれば理想的である.
エネルギーの和は一定であるという前提を考慮すると,難しい問題であるが,
声帯から仮声帯にエネルギーを分散させる方法を考えた.

対応策2は仮声帯発声を利用する.

※サンプル音声

https://www.youtube.com/shorts/av8-V2sCTBI


ここでは、

声帯断面1(流入)
mp1/ρ1

仮声帯断面2(流出)mp2/ρ2

と置く. 流体のエネルギーの和は断面1と2で等しい.
声帯に接触する圧力が限りなく低く、仮声帯に流入する圧力が高くなった場合に、
運動エネルギーと圧力の2つの力の和が一定であるので速度が速くなると圧力が下がり逆に速度が遅くなれば圧力が上がる.
という現象に当てはめてみる.
仮声帯から流出する空気の流速はコントロールできることから,流速を意図的にコントロールすることで,
仮声帯に強い圧力がかかり振動を発声させやすい状態になる,
という仮説をここでは立てた.

4.おわりに

結論として,通常のフライスクリーム発声を対応策1で行い,対応策2の仮声帯発声と組み合わせる事が,
フライスクリームにおける中音域の問題解決に繋がるのではないかと思う.

仮声帯発声についての補足

外咽頭筋を意識的に硬直させ仮声帯に圧力をかける発声もあるが,発声の自由度が低く,推奨しかねる.

仮声帯は高域では使えない?

高域のフライは流速が高く、仮声帯は質量を減らせないので振動が遅く高域には向かないと考える.

つまり流速をあげれば、圧力が下がる.
音量を上げたければ空気圧力を上げて、流速を上げればダメージが下がる.



参考文献:

機械設計エンジニアの基礎知識 https://d-engineer.com/fluid/bernoulli.html

月刊「吟剣詩舞」 2000年10月号:https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2000/00661/contents/006.htm



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