初歩の初歩の配信機材 PS3をパソコン経由で配信にのせた話
ゲーム配信をたくさん見ていて、自分もパソコンマニアだったなと思い出した。それくらいパソコンマニアとして簡単にできらぁ!ということで一つ環境を作って見て詰まったものです。
思った以上に多様な機能が必要でパソコン周りのカオス度が一気に高まってしまった。最初に現状の完成形を、その後にどういう変遷を辿ったのかと、そのバージョンでどこに問題があったかをメモしておきたい。
最終形態(2023年8月17日現在)
この構成の狙いであり、当初想定外だった配線がオレンジのRCA部分。まさかのアナログ音声を引き回すことになるとは…。
こうなった理由のうち最大のものが、赤いキャプチャユニットが映像はしっかり出すものの音声に乱れが感じられたため、ゲーム機の音声についてはテレビに出てきた音声をアナログ配線でPCへ戻すことにした。次の問題が、PCから聞きたい配信モニタ音声と、ゲーム機から出ている遅延なしの音声の両方をヘッドホンで聞きたいこと。耳は1組しかなく、ヘッドホン2個つけられない。それどころか場合によってはスマホで配信のチェックをしたり楽器演奏を目論んだりしているので耳を開ける必要があった。これらの解決策として骨伝導の有線ヘッドホンを、イヤホン分岐に使うアダプタを逆用してテレビ+PCの音を混合したジャックに繋ぐ方法。
なので、現在の配信環境を厳密に見ると画像がキャプチャユニット由来の遅れを持っており、音声が若干先行している。ここについては遅延バッファの設定方法がわかり次第合わせていくけど、ズレ幅は僅かなので問題はないと思う。
1:事始め 2023年7月28日
OBSという便利なアプリがあり、それだけで各種ソースを束ねてTwitch送出までやってくれる。なのでやることとしては、今回のターゲットであるPS3が出すHDMIケーブルをUSB3に変換するような装置だけだ。
これによって得た知見は、PS3はHDCP信号の関係でスプリッタが必須だと聞いていたけど、このキャプチャユニットは問題なくPS3映像をPC内へ届けてくれた。すばらしい、映像に関しては。
なおこの時点では、PCの出す音声&自分のマイク音声をBluetoothのOpencommに任せるつもりでいた。結論だけ言うとこれは機能しなかった。
2:どう考えてもテレビは必要
OBSで表示されるキャプチャ映像は一見良いように見えるけれども、実際は何フレームか遅延している。このことはアクションやレーシングなど多くのジャンルで致命傷になる操作性をもたらすことを、開始1分で体感した。幸いにもキャプチャユニットはHDMIパススルーを持っていたので、テレビと接続した。
3、音がおかしい
2の構成で配信したものを見直したところ、配信音声がおかしい。数秒ごとに引っかかったようにブツリと音が途切れている。これは良くないと思った。
HDMIケーブルの問題も期待されたものの、ケーブルを交換しても解消せず、PS3の代わりにSwitchをつなげても同じ音だったので、これはキャプチャユニットの音声がダメなんだろうと判定した。
改善する組み合わせがあるのかも知れないけど、結構な場合の数を試してダメなパターンがキャプチャそのものなので、基本的にキャプチャを交換するしかない。しかしそれはしたくない。
考えた末に、音声だけテレビから持ってこようと考えた。
テレビにライン出力があったので、これをPCのライン入力につなげた。キャプチャユニットの音声は無効にして、テレビ経由の音を配信に乗せることにした。音声の引っかかりは当然ながら解消。
この分岐装置は、当初キャプチャユニットの内部で問題が出ていることを懸念したため、廉価な対策としてPS3の信号をキャプチャとテレビへ分岐させることにした。テレビにはキャプチャユニットを通っていないHDMI信号が行く形になる。問題点特定後は不要とも言えるけど、不調のキャプチャユニットを迂回させるために据え置いている。問題なく使えている。
4、ゲームやるときの音が遅い
2の構成でしばらくやっていたものの以下の問題があった。
・映像は大丈夫だけど音がテレビ→OBS経由なので音だけ遅れている
・BT接続のOpencomnが安定しない(よく無音になる)
試運転したWipeoutはレースゲーなので問題なかったけど、本命で遊びたいベイグラントストーリーでは30分の2フレーム受付のチェインが主力になるため、音の遅延はかなりダメだったのでこれをどうにかしたい。
音の遅延を取り除くためには、OBS経由ではない、つまりテレビから音を持ってくる必要があった。
テレビからの音をスピーカーで流すと、マイクが拾ってしまうのでダメ。なのでテレビの音もイヤホンなどにしなければならない。これは耳の穴が左右ひとつずつしかないことから頭を悩ます問題。
なおこの時点でOpencomnのBluetooth接続がうまく機能していないため、テレビから耳へも有線イヤホンにこだわった。耳を塞がないといえば骨伝導。
音質は知らない。あまりよくないのだと思うけど、今回に関しては耳の穴を塞がずにしっかりと音が聞ければ目的達成だった。手元でボリューム調整ができる(充電必須)なのは便利でした。この頃にはケーブリングはもう諦めてた。
Opencomnの不調は原因がわからないものの、OBSを再起動させたりPCを再起動させたりすることで3回に1回くらい機能する。あとの失敗回では、PCはBluetoothで接続したと反応するも、音声をOpnecomnに切り替えても鳴らないという状況だった。またOpencomnの売りである口元に伸びたブームマイクも、どうやら無指向性のようで周囲の雑音を鮮明に拾っていたのが残念でした。
5、BTイヤホンを撤去、有線1本でまとめてしまう
ツボとなるのはオレンジ破線で描いたRCAケーブルのトライアングル。テレビのイヤホン出力(ライン出力とは別にあった)と、パソコンからのイヤホン出力を引き出し、「1つのウォークマンで2本のイヤホンをつなげて仲良く聞こう」的なアダプタを逆向きに使うことにした。仲良しと肩を並べて同じ音源を聞くためではなく、2つの音源を1人分の耳で捌くため。配信者とは孤独な戦いだ。
これに合わせてマイクも有線化し、Webカメラを繋げた。これで配信環境としては一通りの機能が整った。この時点でハードウェア的な悩みは残っていない認識で、ようやく完成した気持ちになっている。
まとめ
機材の数が増え、機材が増えればケーブルの数も増える。作ったばかりのときは構成をよく覚えているけどそのうち記憶から消えてきた頃にトラブルが起きると直せなくなるので、わからなくならないようにケーブルへのネームタグ付けなどは欠かさないようにしたい。
テレワーク対応のときに必要な機器をあらかた買っていたのですが、HDMI分岐や有線骨伝導など機材が増えてしまった。ただ問題を特定したあとそれを解決するための装備を考えると案外と安価な解決策が見つかるものでした。1人放送局を作るのは楽しいのでぜひおすすめです。