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父と私。

私は父親に遊んでもらった記憶がほとんどない。
父はタクシー運転手で、夕方になると仕事に行き、朝に帰宅して寝る生活をしていた。


正直、父親に対しては、なんとも思っていなかった。
接触回数が少ないということ、母が父のことをよく思っていなかったのが私が父を好きになれなかった原因だと思う。


父は真面目に働く人間であったが、趣味がほとんどなく、40代になって友人に連れられて行ったギャンブルにハマり、次第に生活費もギャンブルにつぎ込むようになった。


生活費を入れない夫のことを、母は良く思うはずもなく、家では父に対する愚痴をこぼしたり、食事すら用意しない日もあった。
父がギャンブルでした借金の取り立てもたびたび家に来るようになり、ドアをたたく音に怯えながら、布団をかぶった記憶もある。

父に対して、何の感情も抱いていなかった私だが、最近思うことがある。

「父は楽しめる趣味もなく、仕事のストレスを解消するためにギャンブルをしていただけではないのか?」

そうだったとしたら、とても可哀想な人だ。


父と最後に会ったのは、中学生の頃。
「浦安に住んでいるから、遊びに来たらディズニーランド連れて行ってあげるよ」
と言われたのをよく覚えている。

思春期の男子に向かってディズニーランドに誘うのはちょっと視点がズレている気もするが、幼いころ遊んであげられなかった負い目を感じての一言だったのかなと今になるとわかる気もする。


結局、両親は別れた。父のその後に関しては詮索もしていないし、何をしているか、生きているかすらわからない。
生きているとしたら、80歳を超えている年齢だろうけど、病気を患っていたので生きている可能性は低いと思っている。

自分の戸籍から父の住所、調べてみようかな。
後悔したくないので、行動してみようと思う。

父に会う、もしくは父の関係者に会う。
そして、父が他界していた場合は、墓参りをしよう。

これを今年の目標のひとつにします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、また。

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