べきねば人間からの脱出(Adventure In Art⑤)
娘の現地校でアートプロジェクトを教えるというボランティアのつづき。
今回は、2021年10月末、1回目の作品作りを通して感じたことを綴りたい。
以前こちらで、作品を作るにあたり、説明された指示通りにやらなければならないというカチコチの脳みそを自分が持っていることに気づき、愕然としたことを書いた。
完璧な作品を作ることが目的ではない。
作るプロセスを純粋に楽しむことが目的。
実際に1回目の作品作りを教えてみて、子どもたちがいかに楽しむことに長けているのかを目の当たりにし、感動すら覚えた。
これが、私が指示を忠実に守って作った作品。
黒い画用紙に、白い色鉛筆で、夜の森を散歩している絵を描く。
懐中電灯で照らされた光を、白い画用紙を切り取り貼り付けて表す。
光に照らされた部分のみ、色鮮やかな鉛筆で描き込む。
私の懸念
1 遠近法(Perspective)か、木の幹の太さを変えるのね。難しそうだぞ。
2 地平線(Horizon line)を書き込み、手前の木と奥の木で、根っこをどこから描くのか、違いを意識させるのね。
3 懐中電灯の光に合わせて、白い紙を切る、、、、これは低学年にはできるのか?
4 黒い紙に白い鉛筆で描くとなると、消しゴム使えないなあ、間違えちゃったらどうしよう、、。
こんなことばかり考えていた。
こちら、授業で一緒に作った、娘の作品。
遠近法も、地平線もないけれど、
すごく良いではないですか!!
自分の子供の作品だけ褒める親バカでになるつもりはない。
子どもたちは、一人ひとり、とてもクリエイティブ。
描くものもぞれぞれ違う
ゴースト、男の子、魔女、月、お花。
アリがチョコレートを見つけたという絵になっている子もいた!!!
アリが主人公になっているなんて、ほんとうに斬新!!
そして、懐中電灯が照らす光の範囲も
すごく小さい子もいれば、大きい子も。
そうだよね、別に白い紙を黒い画用紙の端まで届く長さにしなければならないってルールはないよね!
小さいのもいいね!
子どもたちが思い思い、それぞれ自由に作っていて、
動画の通りにきちんと教えなきゃと真面目な日本人になっていた自分が
馬鹿らしくなってしまうほどだった。
こどもの想像力そして創造力の豊かさを目の当たりにして、
ちゃんと完成させなきゃと意気込んでいた自分の鎧が
ぽろんと、さらにまた一枚剥がれた気がした。
剥がれていくのが、なんだか楽しくなってきた。
どんどん剥がしちゃうぞ!
もしよければ、Adventure In Artシリーズ①から読んでもらえると嬉しいです。