見出し画像

【商用車メーカーのお仕事〜需要予想・販売施策編】

今回は商用車メーカーの需要予測と販売施策について書きたいと思います。

商用車メーカーの海外営業職の重要な仕事として各国の需要を予測して販売施策の作成、実行するというものがあります。

国にも拠りますが、乗用車と同じく商用車も毎月の販売台数を省庁や自動車協会が取り纏めて毎月発表しています。データが一般的に公開されている国もあれば、自動車協会に加盟している会社にしか公開していない国など様々です。

毎月、現地輸入代理店を通じてデータを収集、分析、今後の需要予測や販売施策を作りこんでいきます。

イメージが難しいと思うのでA国を例としてあげて簡単に1年の流れを説明していきます。

新しい1年が始まる前に需要予測を行います。

A国の需要予測に関しては、

過去のデータから傾向が↓の様に掴めており、6月は需要が弱く、年末に向けては需要が強くなっている模様。

画像1


現地の輸入代理店にもう少し調べて貰うと6月は休暇シーズンで商いが減り、年末に向けては各社が今年度の予算を使い切る為に商いが増えると言う事が分かりました。

画像2

↑の過去の需要データから1月~12月に需要の推移は大体、毎年同じと仮定します。


そうすると需要が弱い年央で勝負するので無く、需要の強い年末に向けて勝負する様に各社販売施策を考えます。

このA国の商用車マーケットでは、

いすゞと日野は各20%程のシェアは持ち、

三菱ふそうとUDがいすゞと日野からシェアを奪おうと狙っているとします。

販売施策として三菱ふそうはシェアを奪う為に新モデルの投入を予定しており、UDは値下げの為の販促費を確保しています。


三菱ふそうとUDはどのタイミングで新モデルの投入や値下げを行えば、シェア奪還に効果なのか考えます。

需要推移が今年もこの様な状況と仮定すると、
需要が強い年末に向けて新モデル投入や値下げを行うのが最も効果的と考えるのが一般的でしょう。
ですので三菱ふそうやUDは年初は我慢しながら年末に向けて年央から販売施策を仕込んでいきます。

このA国で今後、起こりえる状況としては、

8月 いすゞ「今年もワイがシェアNo1やな~。」
          日野 「今年もワイがシェアNo1やな~。」
     三菱   「新モデルのSOPは絶対遅らすなー!!」
          UD 「この販促費を使ってシェア奪ってやる!」

9月 三菱      「新モデルSOSどうじゃー!」
                      「ええやろー!売りまくれー!」
        いすゞ 「三菱はんが新商品投入してきた。」
      「でもまだ耐えれるっしょ」
   日野   「ヤバいよ。ヤバいよ。」
   UD  「三菱はん、そんなん聞いてませんよ」
        「でもワイには販促費がある!」

10月 UD 「販促費投入!値段下げますー!!」
       「どんどんシェアを奪えー!!」
            三菱 「UDさんそんなん聞いていませんよ!」
                    「でもワイに新モデルがある!」
           いすゞ「やばいシェア落ちてきた。」
           日野 「シェアが落ちていく!」
                      「追加の販促費を申請するべ!」

11月  UD  「いけいけ!! どんどん!!」
              三菱    「どんどん!! いけいけ!!」
              いすゞ「販促費下さい!」
              日野 「販促費を早く下さい!」
                        「よし販促費出動!」

12月     いすゞ「舐めんなー!」
                          「安値攻勢なんかに負けるか!」
      日野 「値段合わせまーす!」
                           「指値頂戴―!!」
                三菱    「値段じゃない」
                           「新モデルのスペック勝負じゃー!」
            UD     「販促費がもう無い。」
                           「これ以上値下げ出来ない。。」

こんな感じで毎月の自社のシェア推移を見ながらシェアを上げる為に、シェアを維持する為に各社が様々な施策を打ち出します。

↑の様子を1年のシェア推移で言うと↓の様な結果になるかと思います。

画像3


この様に需要予測から販売施策を考えるというのが海外営業職の大事な仕事の1つとなります。

また毎月の需要と販売の状況を確認して、当初の需要予想が正しく進むのか、それに応じて販売施策を調整していくのも需要な仕事となります。今回値下げを例としてあげましたが、広告やトラックの試乗会などの色々な販売施策があります。

以上です!

良いよ商用車メーカー!

商用車メーカーの中の人

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?