まざってうまれる

カレーうどんなり、カレー南蛮なりを食べる時、いつもなぜ麺類と組み合わせたという思いが降ってくる。和洋折衷料理の代表とされるカレーうどんだが、ラーメンよりも、そばやうどんとの方が浸透しているイメージ。

和風というより沖縄とアメリカなんだろうが、タコライスもそうか。タコスとご飯を組みわせたあの味は、沖縄がかつてアメリカの占領下にあったからなんだろうな。

逆に日本の料理だとされている寿司が海外(アメリカやカナダ)でアボカドやとびっ子と出逢ってカリフォルニアロールに化けることもあるから、異文化との出会いで進化する食文化というものは確かにあるな。

考えてみれば食文化のならず、日本はクリスマス→大晦日→元朝参りと宗教的なミクスチャーが行われているし、最近ではバレンタインやクリスマスのまならず、ハロウィンやらイースターやら異文化の祝祭をビジネスに結びつけようと躍起になっている。

さすがは、あらゆるものに神が宿るという八百万信仰の国だな。思えば、遣唐使から出島での異文化との交易から、侵略以外の手段での文化剽窃みたいなものが日本は得意だったのかもしれない。悪いことばかりではないが、、、。

カレーうどんやカレーそばのみならず、日本ではカレーにまつわる料理が多い。野菜カレーやら、シーフードやら、畜肉以外を用いた料理も多いし、ビーガン用のカレーなんてものまである。

カレーとラーメンは国民食とも言われているが、そのルーツがどちらも異国であるのは面白いな。文化的植民地であるとして、その宗主国であるアメリカ料理(もっとも、アメリカのルーツはイギリスなのかも知らんが)のハンバーガーやステーキがさほどメインになっていない不思議。

ただ、昨今は朝食がコーンフレークだったりオートミールの家庭も増えていたり、パン食の割合もだいぶ米に対して増してきているようだから、その意味では影響は確実に増えている。

食べ物に限らなければ、和装よりも腰腹が圧倒的にシェア率が高いし、トイレだって和式便器はかなり見なくなってきている中で、食べ物だけがなぜこんなに様々な国の文化を日本風に取り入れているのか、そのことについて調べてみたいな。

海外から揶揄されても、怒るどころか恐縮しがちな日本人が、食文化や輸入食品のトラブル(狂牛病や異物混入事件など)に対しては激怒することを考えても、やはり日本人の食に関しての執着は強い。

だからこそ、異国の食べ物を自国の人に食べやすいように魔改造してしまう錬金術のような食べ物が生まれるんだろうなあ。まんじゅうの文化とパンのそれを混ぜ合わせた、あんぱんだとか、中華まんじゅうの中身の具をあれこれ試すのも同じか。

山本寛斎さんがデヴィッド・ボウイの衣装を作っていたように、私が知らないだけでもっと多くの文化的キマイラは存在するのかもしれない。

文化は混ざり合って発展していくものだが、血塗られない略奪のない形の混ざり合いということが、日本の不思議な面なのかもね。

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