憂鬱はじめました
初夏とは言えないような暑さをファーストサマーと呼べば良い。Bisは解散間際の1期が一番好きだった。あそこからウイカさんとコショージメグミさんが出たという奇跡的な話。両方ともオリジナルメンバーじゃないし(その理論だとプー・ルイさん以外全滅だが)そこから活躍しているのすごい。
さて、こう暑いと飲食店の季節限定メニューが、ぞわぞわと春先に地の底から湧き出す蟲のごとく顔を出し始める。勿論、飲食店のみならずコンビニエンスストアでも、服飾でもそうだろう。
日本人は限定メニューに弱いというし、もはや恒例であるにも関わらず【冷やし中華はじめました】という解禁の呪文に対して反応してしまう癖があるのかもしれない。
そこに個人差は当然あるだろうが、梅干しを見るとなんとなくツバが湧いてきたり、懐かしいドラマの1シーンを見たら背後に流れている挿入歌を聴いて過去を振り返ったりと、パブロフドッグ的な反射反応があるのだと思う。
キノコとタケノコほどではなかろうが、冷やし中華のタレが、ゴマであるのか醤油ベースの甘酸っぱい汁であるのかは、命のやりとりが始まるので優劣は語るまい。どちらも美味いではいかんのか?そう思えるあなたは心が優しい。私はゴマが好きだ。サッパリ食べたい冷やし中華のアイデンティティを汚しているようで背徳感がたまらん。
たわごとはさておき、なにかのタイミングで世に放たれる○○はじめました系の文章は、実際は水面下で淡々と準備され、ある日の情報解禁まで試行錯誤と理解のない無理で道理を押しつぶす類の上長や関係各所との血を吐くようなストレスのトンネルをくぐりぬけたのちに発表されている。
それがどれだけベタであれ、陳腐であれ、おっ?もうそんな時期が来たのかとか、なんて日だヤッター!嬉しい!と幼稚園児がお遊戯会で下手なりに必死で踊る姿を満面の笑みで動画に残す祖父母レベルの優しさで見守るといい。そういう優しさが世界を柔らかくする。ひろゆきさんみたいなロジックばかりでは生きるのがつらすぎるではないか。
さて、昼も中頃。夕刻から夜に向けての解放まで、緊張から緩和の昼を抜け、憂鬱始めました。日々の恒例行事ですが、みなさまにおきましても健やかな午後でありますように。