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本音教育用語集(な~に)

なまえ【名前】初任者の頃から,男子生徒には「くん」女子生徒には「さん」をつけて区別してきて呼んできた。しかし,次に転勤したS市では男女混合名簿になっていた。
 男女平等という考えから導入されたのだろうが,これが非常に困った。
 出席簿の名前だけ見ても,男子か女子か分からない生徒が数名いるのだ。そのために顔と名前が一致するまでは,呼びづらかったことを覚えている。
 また,混合名簿の導入にともない,男女関係なく「さん」づけをしようと提案する教師がいた。そこで私は「くん」と「さん」は差別ではなく,「区別」であることを主張したこともある。
 しかし,最近サークルメンバーから,「さん」づけも良い点があるという話を聞いた。その理由は,彼が勤めている小学校では,児童を男女区別せずにすべて「さん」づけで呼んでいるそうだが,最近の児童は長髪でしかもスカートではなくズボンをはいている女子も多いため,外見だけは男子か女子か判別できないこともあるとのことである。そこで,しかたなく全員「さん」をつけて呼んでいるそうだ。
 呼び方で悩なければならないという,ある意味,難しい時代になってきた。 


にーと【ニート】ニートの増加が問題となっていて,様々な原因が論じられている。ここで,何の根拠もない私の考え(当てずっぽう)を書いてみたい。
 原因には,子供を小さい頃から「好き」という基準で育ててきたことがあると思う。
 まあ,おおよそどの家庭でも子供が嫌いなものはあまり買い与えてはしない。
 服,おもちゃ,食べ物,旅行先など子供の「好き」という基準で選択していることがほとんどである。
 しかし,私が子供の頃は,「好き」という基準で選ばずに大人が「いい」と考えたものをあてがわれていた。つまり,子供にとっては「嫌い」なものだった。
 例えば,食べ物では,嫌いなものでも無理矢理食べさせられていた。おもちゃや洋服など兄のおさがりだった。家族揃って外食する時も,大人の行きたいところが最優先された。つまり,自分の「好き」という主張をなかなか聞いてもらえずに我慢することが多かったのだ。
 今の子供は,自分が「好き」が通ってしまうことが多いのではないか。
 学校でも同じようなことがある。子供の自主性などと言って,席替えや班作り,レクレーションの内容,選択教科,職場体験学習の事業所など子供の「好き」が通っていっているのではないだろうか。
 また,ベストセラーになった村上龍の『13歳のハローワーク』の中身も子供の「好き」という基準で編集されている。
 「好き」だから「やる」,「嫌い」だから「やらない」「やらなくてもよい」という考えが子供の中にできあがってしまっている。
 仕事に対しても「好き」な仕事しかやらない,「嫌い」になったらすぐに辞めるのだ。
 今後,「嫌い」でもやらせる,「嫌い」なことこそ積極的にやらせるべきだ。
 職場体験学習では,好きな職種に書いていない職場にあえて送ってみるのもいいかもしれない。