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本音教育用語集(や~ゆ)

やがいしゅくはくかつどう【野外宿泊活動】新学習指導要領でも強調されている自然体験活動の一環として,「野外宿泊活動」を数多く経験した。県立青年の家などに泊まり自然と触れあう学習を3日間に行うのだ。中学校生活に早く慣れさせる意味と集団生活のルールとマナーを徹底させる目的で1年生で行うことが多かった。活動の内容は,野外炊飯・オリエンテーリング・夜間ハイキング(ある年,これを肝試しと書いた企画書を提出したら,遊びではないから夜間ハイキングと訂正せよと言われたことがある。中身は同じなのに。)などである。この3日間,教師はほとんど睡眠できないのが一番辛かった。生徒指導のために,夜も宿泊棟を巡回するのだ。学年の教師が多い場合は,交代で巡回するのだが,小規模校だと2~3人で担当することになる。若い頃は,何ともなかったが,40歳を越えてくると肉体的に辛くなってきた。このような宿泊学習が本当の自然体験といえるだろうか。
 脚本家の倉本聰氏の講演会で聞いた話である。ドイツのある地方の小学校では,子供を森の中に連れて行き,裸足で活動させるそうだ。森の音を聴かせる,草の臭いをかがせる,石を持ち上げさせる,川に素足を入れさせるなどの体験をさせている。つまりこれは「五感の教育」なのだ。自然体験というのはこういうことをいうのではないだろうか。


ゆとりきょういく【ゆとり教育】学力低下が問題となり「ゆとり教育」批判が広がったが,この「ゆとり教育」のに問題を違った角度でとらえてみたい。それは,完全週休2日になったため,土曜日の午後がまったく使えなくなったことだ。それまで土曜日の午後は,次のようないいことがあった。
 ①気のあった職員で外で昼食をとる余裕があった。食事をしながらいろいろな情報 交換やそれぞれの人物の一部をうかがい知ることができた。
 ②体育大会や文化祭などの大きな行事の準備を生徒と話しながら一緒に活動できた。通常の学校生活で言えないことも,生徒は話してくれた。
 ③平日の放課後に時間がとれないため,生徒指導や教育相談も不十分だったが,部活中に呼び出してゆっくりじっくり指導や相談ができた。
 ④職員室に残っている教師で,普段あまり話をしない教師などとも話すチャンスが生まれた。
 「ゆとり教育」が始まるまでは気分的な「ゆとり」があったのだ。