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若手教師のための話のネタ(4)
「道徳教育改革11号」(2009年)からの引用ですから、年齢などが現在と違っていることをご了承ください。
その3 最初の保護者会で話すとき
●「もう,中学生」なのか「まだ,中学生」なのか
保護者に次のような質問を投げかけてみました。「自分の子どもに対して,もう,中学生,まだ,中学生,どちらの意識を持っていますか。」それぞれ挙手してもらいました。
結果は,「もう,中学生」が約80%,「まだ,中学生」が約20%でした。
ほとんどの方が,自分の子どもを「もう,中学生」だという意識を持っていいらっしゃるということですね。
どちらが正解ということはわかりませんが,法律の上では20歳未満の少年は「少年法」という法律で守られています。
簡単に言えば,未成年者が人を殺しても死刑にはならないのです。この理由は,20歳未満の少年は,人間として未完成,未熟だと考えられているからです。つまり,法律の上では,「まだ,中学生」ということになるのです。
では,この「もう」と「まだ」の意識の違いが具体的にどのような形で出てくるのでしょうか。
例えば,子どもから携帯を買ってほしいと言われたら,「もう中学生だから携帯ぐらい買ってやってもいいいだろう。」ということになりませんか。
次に,夏休みに友達の家に泊まりたいと言われたら,「もう中学生だから,友達の家ぐらいならいいだろう。」ということになりませんか。人間として未完成の自分の子どもに対して,「もう,中学生なんだから自分の責任で行動しなさい。」という上辺だけの優しさを見せるのではなく,保護者の価値を押しつけるべきです。「ダメなものはダメ,まだ中学生でしょう。」と突っ張るべきです。大切なことに対しては,物わかりの良い大人ではなく壁となり,子どもの前に立ちはだかるべきです。
もちろん,場合のよっては子どもに考えさせることも必要になってくると思います。しかし,今の家庭教育は「もう,中学生」という意識で行われていることのほうが多いように感じます。もっと,大人の代表として「まだ,中学生」という意識をもち,子どもたちに接すべきだと思います。
この判断甘さが,自分の子どもを非行に走らせるどうかの分かれ道なると考えます。