見出し画像

本音教育用語集(よ~ら)

ようろく【(指導)要録】情報公開がすすみ,学校で作成している様々な公的文書にも配慮が必要になってきた。ある中学校で教務主任をしている時,市教委から「過去5年間分の時間割を提出してほしい」という電話があった。その当時,年間4回時間割を変えていたので 20回分の時間割を資料として提出しなければならなかった。しかし,私が教務主任をしたのは3年分なので,その前2年間分がなかった。転勤した職員に電話をかけまくり,何とかしのいだ経験がある。これは,市内の住民が情報公開を求めてきたからだった。5年間分しかも市内20校以上の時間割を見て何をしようとしたのだろう。
 さて,この情報公開を配慮(恐れて?)して,指導要録も書きづらくなった教師が多いのではないだろうか。生徒のマイナス面を中々書けないからだ。将来,その生徒が自分の要録を見るかもしれないという理由からだろう。しかし,要録は「児童又は生徒の学習及び健康の状況を記録した書類」と法令にも書いてある。となれば,生徒の学習上の問題点も書くべきではないか。重箱の隅をつつくようなことは書かなくてもいいだろうが,次の担任に引きつぐべきことは,たとえマイナス面でも責任もって書くことが必要である。


らくにながれる【楽に流れる】公務員である教師は,手を抜こうと思えばとことん手が抜ける職業である。そんな手を抜きそうになる時期がある。それは,教職4年目,11年目である。
 まず4年目は初任者研修も一段落し,3年間で中学校教師の仕事がわかったつもりになる。学級担任,進路指導,生徒指導など先輩から教えてもらったことや,自分の経験が次に生かせることになり,手を抜き楽に流れてしまう教師が出てくる。
 次に11年目は,異動によって2校,3校を経験し,また主任クラスの役職につくようになる。学校を組織としてとらえることができるようになり,若手教師の指導をする立場にもなる。自分の指導法も定着し,型ができあがってしまうのが11年目であると考える。そうなると,自分の型だけで,指導をしたり,他の指導法を素直に受け入れることができなくなったりしてしまう。こんな教師は10年経過研修会に,同窓会気分で参加してしまうことになる。この4年,11年の時期に奢ることなく謙虚に学ぶ教師こそが,成長していくのだ。