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生徒は「お子様」か

「子どもは若殿,姫君か?」(川嶋優 ディスカヴァー携書)を再読しています。
この本の副題が「現代教育批判」です。
この本の「はじめに」にこんなことが書かれています。

世界中の国で,高校生を対象にアンケートをとったことがあります。
その一番に,「気にくわなかったら,親に反抗してよい」
これに対して高校生はどういう意識を持っているのか。たいていの国は,
「いけない」がほとんどで,「よい」と答えたのは20%弱でした。
ところが,1つの国だけ,「よい」と答えた者の数がずば抜けて高い国がありました。
日本です。アンケートに答えた日本の高校生の80%が,
「親に反抗してよい」と答えていたのです。
それでは,学校の先生対してはどうでしょうか。
「気にくわなかったら,学校の先生に反抗してよい」
この項目に「よい」と答えたのは,世界各国20%弱。一国だけ,ずば抜けて高い国があります。85%,日本です。
そして,「学校へ行きたくなければ行かなくてもよい」
これも,各国20%以下。
やはり,一国だけずば抜けています。
65%がよい。と言ってる国があります。
これが,日本なのです。
愕然とする結果です。

現在の様々な教育施策は,あまりにも子供を大切にし過ぎているように感じます。
子供のためという美辞麗句のもと,優しすぎる教育を進めているのです。
学校だよりなどに書かれている「お子様」という言葉がその最たるものです。
優しすぎる教育を続けていくと,
がまんできない,
嫌いなことはしない,
楽しいことしかしない,
快・不快が判断基準,
自己中心的,
周りのことを考えられない
人間をつくることになるのではないかと思っています。

この本の初版は,2007年3月です。16年前に書かれた本です。
16年間で,子供は良い方向へと変わったのでしょうか。
校内暴力やいじめや不登校の増加をみると,良い方向どころかまずい方向へと進んでいるように感じます。