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効率と幸福

読売新聞の「余白のチカラ」という特集を毎回,興味深く読んでいます。
2月11日の第1回では,岩手県で古民家民宿「苫屋」を経営する坂本久美子さんが紹介されていました。
この「苫屋」の特徴は,宿泊予約は手紙かはがきで行うしかないということです。
電話もインターネットもつながっていないのです。
予約申し込みを手紙に書いた客は,その返事を待つことになります。
予約がとれたかどうかは,坂本さんからの手紙が届くまでわかりません。
ちょっとしたワクワク感があり,「待つ」という行為を楽しむことになります。
この「待つ」ということができないのが,現在の日本人です。

坂本さんは,「余白とは何ですか」という問いにこのように答えています。

宿泊予約の手紙の文面から,「どんな人が来るのかしら」と想像を巡らせる時間。顔や声がわからないから,会うまでの時間が楽しくなる。電話やインターネットはやりとりが速すぎて,その楽しみが失われる。効率と幸福は必ずしも比例しない。

読売新聞(2月11日)

働き方改革」で学校現場は,効率を優先させる風潮があります。
しかし,効率を優先させれば,教師が幸福になるとは限りません。
生徒のために時間をかけて何かをやっていることが,実は,教師にとっては幸福なことのですから。
教育と効率,この2つは合い入れない部分が大きいように感じます。