
本音教育用語集(そ~た)
そうじ【掃除】私は掃除の指導が苦手だ。生徒全員を意欲的に活動させることができない。ある程度まではいくのだが,全員となると難しい。いろいろな方法をやってみたが,未だにできていないのは,私の指導が不十分なのだろう。昔,1年生の学級担任をしていた時,数名の生徒があまりにもダラダラと教室掃除をしていたので,激怒し「もう掃除をしなくていい。したくないからダラダラやっているんだろ。やらなくていい。」と言った。その後の帰りの会で,「うちのクラスは掃除を禁止します。ただし,他のクラスの迷惑になるので,掃除の時間は全員教室にいること。」と言い放った。
次の日,追い打ちをかけるために「掃除をしないので,掃除道具もいりませんよね。もちろんゴミ箱もいりませんよね。」と言って掃除道具とゴミ箱を教室から撤去した。
それから1ヶ月間,生徒との戦いが続いた。生徒は机の横に自分のゴミ袋をつけるようになっていた。自分のゴミは自分で処理するようになっていた。それから1週間後,数名の生徒が掃除をさせてほしいと申し出てきたが,ダメだと突っぱねた。
次の日,10名程に増えていた。次の日,15名程になった。それでもダメだと言い続けた。そして,学級委員2名が職員室に来て,クラス全員が掃除をしたい言っているので,掃除をさせてくださいと言ってきた。私は「ここだ!」と思い教室に上っていった。
たんにん【担任】私が初めて教師になった時,1年生の学級担任を任せられた。すべてが初めてなので全くわからないまま1日があっという間に過ぎていた記憶がある。実務的なことは
同じ学年の先輩教師から教えてもらったり,臨時採用経験がある同じ新採教師から教えてもらったりしていた。授業のネタや学級経営のコツなどは教育雑誌や少し年上の先輩に教えてもらった情報で何とかこなすことができた。こうやって何とか1年が過ぎ,大きな問題もなく無事に終わった。次の年は持ち上がって2年生の担任となった。
その次も持ち上がって3年生の担任となった。はじめての受検指導だったが,仲間の支えで何とか無難にこなすことができた。今考えてみると新採3年間,無難に過ごしたことが私にとってマズかったと思う。つまり教師とはこんなものかと,分かったつもりになり,自分も何とかやれるといううぬぼれがでてきたのだ。
一旦うぬぼれがでると,学ばなくなってしまった。学ぼうという謙虚な姿勢がなかった。まさに井の中の蛙だった。
謙虚な姿勢で学ぶことの大切さを知ったのは,それから5年あとのことである。
遅すぎた。もっと早ければ私の教師人生は大きく変わっていたかもしれない。