「雷電本紀」
飯嶋和一さんの本は2冊目です。
前回読んだ「始祖鳥記」がとても面白かったので、「雷電本紀」(集英社文庫)を読みました。
550ページ近くの大作で文字もびっしりで読みやすい本ではありません。
しっかりと意識し、想像しながらじっくり読みました。
火山の噴火、疫病、ききん、飢え、打ちこわしなどの厄災が頻発した天明期に人々に希望を与える相撲取りが出現しました。
それが、雷電為衛門です。
圧倒的な強さと豪快さとやさしさで一躍人気ものになっていきます。
「始祖鳥記」の幸吉もそうでしたが、雷電も苦しむ人たちに希望を与えるヒーローです。
綿密な取材と想像力と筆力でぐいぐいと引き込まれました。
時代小説はあまり読んできませんでしたが、飯嶋和一さんの作品に出合ったことで、これからも読んでみたくなりました。
やはり、飯嶋和一にはずれなし。
次は、島原・天草一揆を扱った「出星前夜」を読もうと考えています。