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本音教育用語集(わ)
わ【和】年度当初,学校長が出す学校経営方針文書の中で「職員室の和」という文言をちょくちょく見かける。「家族的」という文言も同じ意味だろう。
さて,この「職員室の和」とは何か考えてみた。そのままの意味では,職員間の親睦を大切にするということになる。
しかし,とても仲が良い教師集団がいい学校を作るとは言い難いのではないか。
それは,仲良くなればなるほど,お互いを批判しづらくなり,まあまあ的な雰囲気になってしまう可能性があるのだ。
こうなると職員室での会話は趣味や家庭の話題が多くなり,生徒や授業の話題が中々出てこないことになりかねない。
志水宏吉氏は学力向上の効果があった学校ということで大阪の寝屋川第四中学校の取組を紹介している。
その取組の方針のひとつとしてとして「人間関係の改善は仕事を介しておこない,それとは無関係に仲良しになるという方針はとらない」を紹介している。(註1)
教師一人ひとりがプロ意識を持ち,お互いが適度な距離を保ちながら,向上していく集団に「和」が生まれてくるのではないかと思う。
【註1】『公立学校の底力』(ちくま新書)
令和6年のノートもこの記事で終わりです。私の拙い記事を多くの方が見ていただき、また多くのスキ、コメントをいただきました。光栄の至りです。令和7年も教育に関する記事をコツコツと書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。