女性管理職に伝えたいこと（その４）：受け取ってください
「女性管理職」をテーマとした連載の最終回です。今回が一番伝えたいことかもしれません。
女性管理職に伝えたいこと（その４）：受け取ってください！
「インポスター症候群*」という言葉があります。
仕事やプライベートを問わず成功していても、「これは自分の能力や実力ではなく、運が良かっただけ」「周囲のサポートがあったからにすぎない」と思い込んでしまい、自分の力を信じられない状態に陥っている心理傾向を指します。
心理状態のことなので、あたかも病気や障がいかのように聞こえる「症候群」というのは医学的にも疑義があるようです。
前々回にご紹介した本「LEAN IN」の中にも出てきます。
男女問わず誰にでも起きうる心理ですが、特に女性に多いと言われています。
（*参考）Vogue記事：「専門家が解説！ インポスター症候群ってなに？」
このような状態の方と話すと、一つ特徴的に感じることがあります。
「幸運もあったと思いますが、あなたもこういうところが素晴らしかったですよね」と具体的に認知の言葉を伝えても、ほとんどの場合、受け取ってもらえません。
「いえいえ」「そんなことはありません」「たまたまです」
インポスターではないにしても、こういうこと、ありませんか？
謙遜が美徳とされる日本では最初はこういう返しかもしれません。
けれども、いつもこうだと「ああ、受け取ってもらえないんだな」と感じます。
認知の言葉、愛の言葉は、受け取れば、自分を育む養分になります。
でもせっかく渡されているその栄養も、自らはねのけている。
受け取っているように見えて、実は受け流している。
とても残念なことですし、相手に対しても失礼なことだと思います。
そうしていながら、「自分に自信が持てない」「何かが足りない」と悩んでいたりする。
だから、周りから見るととても優秀な人でそれを伝えてもいるのに、本人としてはいつまでも自信がない、満たされない、という状態が続きます。
この状態の人に、「自信を持っていいよ」といくら言ってもあまり届かないだろうと思います。
本人がその言葉を受け取らない、と（ほぼ無自覚に）決めているので。
いいところもダメなところも「自分ってこう」という自己像が固まっているのかもしれません。
それにぴったりの言葉をもらうと受け取るけれども、そうでないなら受け取らない。
これはとてももったいないこと。
あなたという人間は、自分自身で理解しきれるほど小さな存在ではありません。
これまでもらってきた数々の嬉しい言葉、認知の言葉、優しい眼差しを思い出してみてください。
それを、心から受け取ってみてください。
上司、先輩、同僚、後輩、家族、親戚、友達、近所の人。
どこかには自分を応援し続けてくれている人がいるはずです。
その人たちが送ってくれている愛情を、本当に自分の中に取り込んでみてください。
受け取ったら自然に湧いてくるであろう、感謝の感覚も感じてみてください。
受け取らない人は、ポジもネガも受け取らないので、厳しめのフィードバックも、納得できない限りは受け取っていないことも多いです。
それはそれで、成長のための材料を逃していることにもなります。
受け取ってほしいものは、他にも沢山あります。
例えば、周りの方々は、もっとあなたのことを助けたいと思っています。
「手伝いますよ」「休んでね」「ここは任せて」
周囲の人たちがくれるこういう言葉や気持ちも、もっと受け取って、信じて委ねてみてください。
かくいう私も、相当な受け取り下手でした。
今も練習中です。
心で受け取るには、心を開く必要があります。
コントロールを手放す必要もあります。
ここが、怖いんですよね。
私のコーチング・セッションでは、この部分をお手伝いすることが多いです。
大丈夫。周りの人たちは思っている以上に優しいです。
そして、あなたが受け取ることで、周りの人も初めて与える喜びを感じることができます。
受け取ることから始まる世界のあたたかさを、ぜひ体感してください。
計4回、お付き合いいただきありがとうございました。
続きは、ぜひ、ここみちサロン「プロコーチが女性管理職に伝えたいこと」（下記）でお話ししましょう！
では、今日もよい一日を！
この記事は、2023年11月1日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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19:00 開場
19:15〜20:30 レクチャー、ミニワーク、対話
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