2024。
ホールトマト缶が高騰した。
魚が高騰しても肉料理があり、野菜料理がある。
豚が品薄になっても鶏肉、牛肉がある。
油が高騰しても揚げ物以外のメニューがある。
野菜が高騰しても、ホールトマトがある。
そうしていままでの波を乗り切ってきた。
缶詰は、生鮮素材のように大きく値動きしないものだったはずだった。
それが、あのメーカーもこのメーカーも、あれよという間に値上がりし、ついに仕入れ値はほぼ倍額になってしまった。
原因は、輸送費の高騰などもあるが
昨年の天候不良によるトマトの不作で、輸出制限をかける手前だとも言われている。
さらにEUに対する農民デモが追い討ちをかけている。
この話は年始からすでに起こっていたことで、その時点で価格の上げ止まりが長引きそうな気配を感じた。
当店はそもそも食事主体での使い方をメインにしているけれど、時々飲む人たちもいて、それは数字を上げるという意味でありがたい存在ではあった。
しかし、コロナ禍以降、営業終了時間を早めたのもあって居酒屋使いをするお客さんは激減していた。
つまり、原価の大きな上昇はこれまでよりもダメージが大きいわけで、トマトラーメンはすべて価格改定することとなった。
追記的に書くと、今回の値上げはホールトマト缶の高騰がきっかけではあったけれど、その前からもチーズやオイル、精肉、野菜、もろもろの値上げが重なっていてそれをすべて反映したので上げ幅が大きかった。
ラーメンの価格が4桁というのは何年か前ではイレギュラーな存在だったと思うのだけど、当店も順当にその仲間いりをしたというわけだ。
何年かぶりにお店を訪れたお客さんは、びっくりするんじゃないかと思う。自分でもそう思うので、きっとそうだろう。
それでも必要に応じて価格は上げなければいけない。
小手先のごまかしや、負担の抱え込みは飲食業界のためにならないと思うからだ。
無駄は削るにしろ、必要なぶんは必要だと言わなくちゃいけない。
コロナ禍の飲食店は大変だったでしょうと言われるけど、コロナ禍明けのほうがもっとずっとたいへんだ。
値上げして消費の冷え込みが起こっても、それをしないわけにはいかないんだから。