43年前に受験した共通一次試験②
通勤電車の中で、受験生らしき若者を多く見かけるようになりました。
ラインマーカーがびっしり引かれた参考書に赤いシートを重ねて暗記をしています。
40年以上前の受験生とまったく一緒です。
われわれのアラ還の世代は、国立大学1校しか受験できませんでした。
国立一期校も二期校もありませんでした。
共通一次試験は、5教科7科目で1000点満点でした。
新聞に掲載された正解と照らし合わせて自己採点をして、その結果を予備校に送り、予備校の分析結果を見て、どの国立大学の二次試験を受験するかを決めました。
当時は、1点刻みの学力試験で、とにかく暗記した量で点数が決まりました。
1つでも多く暗記するために、少しでも長く机に座りました。
しかし、深夜になるとオールナイトニッポンなどのラジオ番組を聴いていました。
「誘惑に負けず、目標に向かって努力を続ける」意味では、暗記量が勝負の試験は、良質な労働力を見出すには良いシステムです。
当時の仕事は、度胸・努力・根性が必要だったからです。
私は昭和の終わりから平成にかけて必死に仕事をした世代です。
頑張った分だけ努力が報われた時代でもありました。
無駄な努力も多くしましたが、その経験で、努力を成果に結びつける手段も身に付いたと思います。
だから私は、不器用でも頑張っている後進を見捨てられない性分です。
現在では誰でもスマホを持っていますから、誰でも、いつでも、どこでも知識を得ることができます。暗記した知識量はあまり重要ではありません。
効率良く情報を入手する人が優秀だという評価になりつつあります。
これも時代の流れなので仕方がないと思っています。
しかし、苦労すること、努力をすることが、軽んじられているのが心配です。
なぜならば、精神的な病気で休職する社員が増えているからです。
VUCAの時代です。いつなんどき何が起こるのかが分かりません。
トラブルが起こったときに、直面した課題のプレッシャーに耐えられない社員が増えています。
人が成長するためには、ある程度の度胸・努力・根性は必要だと思う今日この頃です。
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