昔気質の職人さん
私の自宅は平成元年に建てたものです。
築35年になります。
築35年にもなれば、いろいろと悪い箇所も出てきます。
台所のシンクの水道栓が緩んできました。
また、駐車場の水道も蛇口からほんの少しだけ漏水しています。
シンクの水道栓は新しいものに交換します。
駐車場の水道は使うこともないので閉じてもらうことにします。
今まで頼んだことがない業者さんに電話をして、修理に来てもらいました。
会って驚いたのは、白髪頭の小柄のお爺さんです。
80歳は過ぎているであろう風貌です。
歳なので声も小さく、口数も少ないです。
ちょっと心配になってしまいました。
電話をしたときには元気の良いおばさんだったので、もう少し若い人が来ると思っていました。
先日、教員をしている人に会ったときに、都内では教員の成り手が少なく、70歳を過ぎた人が教壇に立っていると話していました。
職人さんの成り手がなく、80歳を過ぎてまで現役で働かなければならないのだろうと推測しました。
修理を始めると手際よく作業をしています。
作業の途中で事務所からお爺さんの携帯に電話がかかってきました。
お爺さんは電話に出ると、「馬鹿野郎!うっせーんだよ!」と怒鳴りました。
「怖っ!」と思いましたが、昭和の時代にはこういう職人さんがたくさんいたことを思い出しました。
私は大学卒業後に叔父の会社で住宅営業をやっていましたから、現場にもよく行って職人さんと話をしていました。
私が若かったせいか、職人さんはとても怖かったです。
怖くても根は良い人が多かったです。
一生懸命やっていれば、困ったときには助けてくれました。
今やこういう人はパワハラの元凶と言われてしまいます。
昔気質の怖い職人さんは、今や絶滅危惧種なのだろうと思います。