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FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第9節 イタリアvsスイス 感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン  」として今回はイタリアvsスイスの試合をお届けします!

※イタリアのストレートインがなされなかった衝撃から4か月、プレーオフも目前となったので、それまでにはイタリアを振り返らなければ、とやっと重い腰を上げました・・・この試合で勝利を収めることができなかった事がストレートインから遠ざかる要因でもあったと思うので、強い気持ちで振り返ってみたいと思います。

試合前情報

ワールドカップ欧州予選グループCもとうとうあと2節。実質、ワールドカップへのストレートインを賭けた試合となります。

おおまかにはプレビューを書いていましたが、プレビューで触れた注目点は2点。

・スイスはイタリア相手にどのようなスタンスで試合に臨むのか。
・コアメンバーにけが人が続出のイタリアは中盤の人選をどうするのか

プレビューを書き上げた後に調べたらキエッリーニもケガしているし、インモービレもケガしているし、どないなっとんねん!という感じでしたが、単純に選手を置き換えた以上の意味が生まれてしまうのがイタリア。
この試合での影響がどのようなものであったのか、そしてスイスはシャチリ筆頭にどのような試合を見せるのかに注目です。

スタメン

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試合雑感

イタリアのスタメンはキエッリーニの代わりにアチェルビ、インモービレの代わりにベロッティが出場。
それ以外はよく見た選手が並びます。
アチェルビは依然出場した時もキエッリーニほどのプレーエリアと局面のスキルはないものの、機を見て持ち上がるなど間隙を突くことに関しては遜色ない働きをするプレイヤーではあります。

対してスイスはオカフォー(9)がトップの位置で出場。プレビューで触れた通りのスタメン出場となりました。
左のワイドにはツバーがケガで出場できない代わりにバルガスが出場。
中盤からディフェンスラインにかけては特に大きな変更もなく、両DHとディフェンスラインが強固に守りつつトランジション局面を迎えることが想像されるメンバーとなっています。

試合はイタリアボールからのキックオフ。スイスはビルドアップ阻害においては中央を閉めつつプレスをかけていき、下がって受ける動きを見せるイタリアの両ウイングへのパスルートをケアしつつサイドバックへの配球は結果として封鎖するため容認、イタリアのゴールキックに対しても基本的には初期配置通りでビルドアップ阻害を狙いますが、スペースに顔を出して配球を行うジョルジーニョによってクリーンな前進を許します。

スイスは押し込まれてからのトランジションが増えそうな予感のする立ち上がりですが、トップのオカフォー(9)が橋頭保として機能することによりなんとか前進を果たしたいという趣。
押し込んだ後のトランジションでは両サイドバックが上がることで中盤の人数がちょうどイタリアの前線のラインを封鎖する形となりネガティブトランジション時のボール回収でのかみ合わせの良さを感じさせます。

ちょうど両軍が差し合いを一巡させたのちに、イタリアはボールを動かしながらオカフォーと中盤の4枚の間にあるスペースを使いつつ攻め込もうとし始めますが、スイス陣地深くでのスローインからボールを失うと一気にカウンターを受けヴィドマーのミドルシュートから早速の失点。
前へのベクトルを強めようとした矢先の失点にイタリアに暗雲がたちこめます。

先制後のスイスはジョルジーニョにシャチリを当てる形でビルドアップを阻害しつつ、トランジション時にはオカフォーを起点としたチャンスメイクを継続。
それに対しイタリアはボールを動かしながら前進を試みますがウィングが下がってボールを受ける事で奥で幅を取ることが出来ず早いタイミングで前へ人数を送り込むことが出来ません。
こうなるとキエーザが活きる場面も少なく、ポジションチェンジを行いながら起点となるインシーニェとロカテッリからのチャンスメイクに頼ることに。同点弾もまさしくインシーニェがファウルを受けた事で得たフリーキックからでしたが、その得点シーンもイタリア代表がセットプレーコーチを迎え入れたことの成果を見た形からでした。

点差がイーブンとなったことでお互いに前派のベクトルが強まり始め、イタリアとしてはボールを動かすスペースを多く得られる展開になります。特にインシーニェが空いたスペースい顔を出しつつ展開を狙えるシーンが多く見られたことや、ここにきてキエーザがトランジションで裏を狙う動きが出来るようになったことからイタリアの攻め筋がスイスを困らせることになります。

後半の入りはイタリアがボールを動かしながら前線への配球を狙う姿勢はそのまま、それに対してスイスは中盤を締めつつ逆襲の機会を狙う慎重な立ち上がり。インシーニェがトラップが流れた後のスライディングでイエローカードを受けたのはスイスとしてはラッキーな側面があったかもしれません。

そんな中、先に動いたのはイタリア。58分にロカテッリに代わりトナーリを、ベロッティに代わってベラルディを投入します。これは、両者ともに消耗が激しかったこととベロッティに関してはビルドアップからボールを受けるタイミングや位置取りがあまりうまくいっていなかったことも影響しているでしょう。事実、ベラルディが投入されてから65分にはバイタルエリアでボールを受けコーナーキックを得るなど精力的な動きで前線を活性化させます。

68分にはイタリアはバレッラに代えてクリスタンテ、スイスはロドリゲスに代えてガルシア、シュテフェンに変えてイメリを投入。前線の活動量を確保したいイタリアと守備時の強度とトランジション時の推進力を担保しておきたいスイスという構図が見て取れる交代策だったと思います。
実際にはイタリアがビルドアップ阻害をうまく行いスイスにロングボールを選択させて回収する構図がハマり、ここから終盤までの時間はほぼイタリアが支配する流れに。

79分には最後の交代が行われ、イタリアはインシーニェに変えてラスパドーリ、エメルソンに代えてカラブリア、スイスはシャチリに代えてソウ、オカフォーに代えてフレイを投入します。
ここまでくると、お互いにリスク管理をしつつ一刺しを狙いたい状況が続きます。

そうして迎えた87分、ベラルディがガルシアに押されてペナルティキックの判定。前線の活動量を維持し続けたイタリアのチャレンジの勝利、このまま決めることが出来ればワールドカップ出場へのストレートインが決まる状況となります。
キッカーはジョルジーニョ、キックの名手でもある彼なら当然決めるだろうという人選、以前の試合でペナルティーキックをしくじった記憶はどこかへ捨てた、頼むぞジョルジーニョ!という気持ちで状況を見守った人も少なくないでしょう。
しかし、その祈りもむなしくジョルジーニョのキックはゴールの上へ。記憶も薄れ始めたアメリカワールドカップでのバレージとロベルト・バッジオが外した軌道をなぞるかのうようなキックに膝から崩れ落ちた人も少なくないと思います。

ペナルティキック失敗のショックの影響を伺わせつつ、必死に攻めるイタリアでしたがそのままゲームセット。イタリアは勝利を目前にしてワールドカップへの切符の獲得は次節へ持ち越しとなりました。
逆に、首の皮一枚で繋がったスイスは次節のイタリアの結果次第でワールドカップ出場が決まることに。
試合展開としてはボールを握りつつ勝負と決めることが出来なかったイタリアが比較的ダメージの大きい一戦となりました。

まとめ

勝利することが出来ればストレートインのはずだったイタリアは勝利が目の前で滑り落ちるというダメージの大きい引き分けとなりました。
とはいえ、試合中に見せたパフォーマンスから言えばイタリアは自身の特徴をいかんなく発揮していましたと思います。多少のエクスキューズを出すならば、右サイドへの配球ルートを確保できなかったことで左右非対称の配置のメリットを大いに享受できたかどうかといえば難しかったのかな、と。
左サイドでインシーニェがロカテッリと見せたローテーションや距離感が果たした仕事ぶりと比較して右サイドの挙動や配された選手の特性が物足りないパフォーマンスとなってしまったことが影響しているのだと思いますし、おそらく、インモービレが出場できなかったことが影響していると思うのですが、ベラルディ投入後のパフォーマンスを見てもスタメンの人選で損をした部分はあるのかもしれません。
結果は出ているため暗澹たる気持ちで振り返ることになりますが、次節の振り返りではその辺も考慮に入れてみていきたいと思います。

注目選手

ジョルジーニョ
良くも悪くも今節の主役。
従来通りの活躍で中盤でのキープレイヤーとして存分に躍動した一方、最後のペナルティキックの失敗はキエッリーニやインモービレといった主力選手が抜けたイタリア代表に感じる閉塞感をさらに強める結果にもなりました。
次節で勝利を収めることが出来れば文句なしのストレートインとなりますが、本稿の執筆時には結果は出ており、そのツケを払わされた格好となったのはジョルジーニョにとってもイタリア代表にとっても痛いところだったと言わざるを得ません。なにはともあれ、強い気持ち。

オカフォー

スイス代表からはオカフォーを注目選手に。
先制点の起点となったシーンを筆頭に、今節におけるスイス代表の攻め手の軸として大車輪の活躍だったと思います。今節からの代表選出ではありましたが、2020シーズンからザルツブルグに在籍しているという属性も得心のインテンシティの高いプレーぶりはスイス代表の今後の大きな武器になりうる存在だと思います。
要注目!!

試合結果

2021.11.13
カタールW杯欧州予選 第9節
イタリア 1-1 スイス
スタディオ・オリンピコ
【得点者】
ITA:36' ディ・ロレンツォ
SUI:11' ヴィドマー

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