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【浦和レッズ】2023シーズンのこれまでを振り返ってみる【備忘録】

サッカーを、そして浦和レッズを愛するみなさま、こんにちは。
浦和レッズの2023シーズンが始まり、気が付けばリーグ戦は10試合を消化し、浦和レッズは将か試合数が少ないながらも8位につけ、未消化分を全勝したとして2位が見える位置に。AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)も決勝戦が終わり、アルヒラルとの激闘の末に劇的な優勝を飾る事となりました。

これまでも備忘録的に記しておこうと思ったタイミングがありつつも機を逃してしまい、気が付けば今シーズン最初の大一番が終わってしまいました。
これではいかん、と圧倒的な雰囲気の中でACLを優勝という成績で終わったタイミングで今シーズンのこれまでについての雑感を備忘録的に残しておきたいと思います。

シーズン開幕からの2試合

昨シーズンをもってリカルド・ロドリゲス監督が退任、今シーズンからマチェイ・スコルジャ氏が監督に就任しましたが、漏れ聞こえてくる評判をもとに考えた時に、リカルドが志向していた方向性から結構振ってきたな、という印象を持っていました。

もちろん、昨シーズンの浦和レッズが見せていた姿はボール保持を基礎として構造を維持しようという志向を持ちつつも強度高く、主体的に状況を動かしていこうという意思を見せていたのでピッチ上での現象に大きな違いは無いのかもしれない、という楽観的(悲観的?)な予想も含みつつトランジションに比重を置いたサッカーをイメージしていました。

果たして迎えたシーズン開幕節でしたが、眼前で繰り広げられたのは想像以上のアグレッシブさで相手のボール保持に対して襲い掛かる浦和レッズの面々でした。ボール奪取から縦への早い攻撃という狙いが明確に見えた一方、いざ攻撃という段階で前線の枚数が足りないという場面も多く粗削りな印象を強く受ける試合となりました。
特に、リンセンとモーベルグは上下動が激しくなりがちな展開に苦労していたようにも思えます。

続く第2節でもアグレッシブに横浜FMに対して立ち向かいましたが、ビルドアップでは横浜FMの圧力に効果的な前進をさせてもらえず、プレスに関しても追い込む、というよりはアタックするに近いニュアンスで奪回するための段取りを省略しがちなシーンが続き主導権を握ることが出来ませんでした。
加入早々からスタメン起用されていたホイブラーテンについても、開幕節に引き続き強力なアタッカーへの迎撃性能で能力の一端を見せていましたがほんの少しのミスから失点の引き金となってしまうなど、チームとしての仕組みに弱さが見える中で苦しい状況が多かったように思えます。
しかし、そんな中でも正面からぶつかってくれた横浜FMのおかげで相手陣形の間延びを誘いつつミドルサードを使う場面が増えたりした場面や、興梠が投入されてからのボール循環の向上などから、守備面で一定の貢献ができないモーベルグの使い方に一筋の光明が差したような気もしていました。

第3節~

そして迎えたホーム開幕戦の第3節。これまでスタメンだったリンセンに代えて興梠が入り、これまでとは見違えたようにバランス感覚を取り戻す浦和。リンセンが興梠に変わったことが直接的な原因ではないとは思いますが、開幕2節からの反省を活かせる形が興梠の起用だったのだろうと思います。
これまでの2試合は前へのスピードを求めるあまりハメ込む状態を導くためのプレスルートおよび効果的な配置を取るための時間と走力の限界が露呈した形でしたが、プレーテンポの調整が行われた事によってファーストプレスの左右の限定、サイドに追い込んでからの配置が整理され、奪取した際の前後の人数バランスを見ながらバックパスを交えて前進するための時間を作ることが出来る志向になった瞬間かと思います。
また、外に追い込んでサイドの選手の前・横を限定してボールを刈り取る、または前進を阻む配置の取り方は、相手の基本配置に関わらず一定の成果が見込める事から最初に手を入れる部分としては理に適ったものだったのではないかと思う所です。
仮にロングボールでターゲットを狙われた場合でも、第2節までに見せたホイブラーテンの迎撃性能がある事でロングボールを起点として流れを明け渡すような事態はそうそう訪れない事が担保されたことも大きい事を付記しておきます。

次に迎えたルヴァンカップ初戦の湘南戦は、リーグ3節で浦和が見せたプレスルートと構造が相手の基本配置を問わずに使えるかどうかの試金石となるはずの試合でした。ボールを握りながらプレーテンポを自軍寄りに引き寄せられそうな時間帯もありましたが、湘南の帰陣の早さと中盤の構成により浦和がプレスを起点に流れを作ることが出来なかったように見えます。
その中でも、荻原はビルドアップ時に限らずポジショニングの大枠においてマリウスに背後のフォローをしてもらった序盤からバランス調整をするなどトライ&エラーを繰り返す姿勢が見れたのは収穫だったのではないでしょうか。

続いて4節の神戸戦。前半の比較的早いタイミングで狙っていたチェーンの切れ目への配球からゴールを決めた試合ですが、ファーストプレスからの挙動がある程度固まった状況で次に見るべきはモーベルグの処遇、ともいえる試合だったのだろうと思います。本人としては多少焦りが生まれ始めた状況でもあると思うのですが、プレスルートの無駄の多さを帳消しにできるほどの攻撃性能を発揮できなかった試合とも言えます。
勿論、非常に頑張っている訳ですが浦和のプレスルートや限定の仕組みから逸脱しがちなモーベルグの挙動についてどう見積もるべきなのか、の判断基準となった試合なのだろうと思います。
要は、収支合わないよね、って感じる試合だったという事なのですが。

というわけで、第5節の新潟線ではスタメンに関根が入る形に。
基本構造、基本骨子は変わらず。初期配置で大久保が中央に位置する事が増えたかな?という印象を受けた試合ではありました。
この辺でうっすらボンヤリですが、プレスのスイッチ役を担う条件みたいなのが固まった感もあって、連動すべき後ろとのコミュニケーションが取れる事とその判断とファーストプレスの精度、という部分だろうなと。
特に状況を踏まえた後ろとのコミュニケーションの部分は大前提としている節があって、大久保も小泉も現体制の中では錬度高くやれているのだろう、という印象を受けていました。
リンセンやシャルク、安居がこの時点でスタメンとして採用されていないということからも、基本骨子を固めて連携面を充実させるという志向からも変更点はない、という状況となったことが伺えます。
しかし、この新潟戦、意外と苦戦しているんですよね・・・先制された後にボール保持を基調とした攻めを強いられているから、というのは分かるんですが。そしてプレスルートに対して嫌な展開をする選手がいたからなのも分かるんですが。

ルヴァンカップ第2戦の清水との対戦では、清水がリーグ戦で不調な時期を過ごしていた事もありますが、ボールを握りながら相手を押し込む、またはトランジション時に相手の陣形が伸びている状況を維持する時間が多くみられることとなりました。シュート数やボール保持率では圧倒していたものの得点は押しに押してかろうじて綻びができた一瞬をピンポイントで突けた1点のみと寂しい結果に。後半序盤での現象が顕著だったかと思いますが、プレスルートだったり左右の限定を実現するための後ろとのコミュニケーションを見てもリーグでのスタメン組との差が小さくないものだということを印象付けられた試合でもありました。

リーグ第6節の柏戦では、フロートとマテウス・サヴィオという強力なアタッカーが前線に鎮座していたことからホイブラーテンにかかる負荷が大きい試合でした。柏自体が比較的早いタイミングでフロートや左右の背後への配球を狙ったことからプレスを起点としてミドルサードでの奪取を多く実現することはできませんでしたが、前半終了間際に柏の守備が緩んだ一瞬を逃さずにサイドへの展開を見せて先制。確か、この辺りから浦和の腕力を発揮する局面って、どこだろうな・・・?って思う事が増えたような気も。
柏は基本配置から浦和のプレスルートを避けながら縦を差し込む場面もあったりしましたし、誘導を避けつつホイブラーテンの迎撃を避けるようなエリアへの配球も見られましたし、浦和が「プレスでハメた!」って言える場面があったかどうか・・・。
ビルドアップで相手の陣形を歪ませてトランジションのサイクルを良くできたか?という問いに対しても同様。特に中盤から1枚下りてビルドアップを行う場面は相手陣形を歪ませるというよりはビルドアップの人数を増やすことで自身が見る景色を良くする、という効能以上のモノは無いのではないかと。
結果としては0-3の快勝と呼べるスコアでしたが、そんな懸念も浮かんできていた試合だったように思います。

ルヴァン3節の川崎F戦では前線にリンセン・松崎・安居・シャルクが並ぶ形。これまでのイメージからするとプレスルートが怪しくなるのでは?と思えましたが、最序盤では思ったよりも川崎Fのビルドアップに対してバランス良く当たれたのではないかという形を見せます。早々にシミッチが中央で起点となる事でプレッシャーラインを越えられてしまいましたがそれ以前の初手でサイドに追い込んだ時の囲い方に難が出た事を問題視したいなと思ったりも。結果的に現象としてはシミッチが動きビルドアップの出口となる事で浦和のプレスが空転する場面が増える事になったことで必然的にビルドアップから攻め手を探ることになりますが、ファーストプレッシャーラインを越えてからの攻め筋を作るための枚数の送り込みが足りず、サイドバックの挙動の物足りなさを感じる場面が多かったように思います。後半に入ると川崎Fのボール保持の局面が増え、ボールの出し入れに対し守備時の狙いが定まらず陣形が膠着。ファーストプレスが決まらない(決めさせてもらえない)状況での構え方に一定の課題がでた時間帯なのではないかと思います。
欲を言えば、後半23分ごろの松崎の出方のテンポが早くなれば・・・とも思いましたが、シーズン序盤で見せた所在なさげな姿から考えると、だいぶ明るい目が出てきたのかもしれないな、とも思ったりします。

リーグ第7節の名古屋グランパス戦。大抵、期限付き移籍の場合は対戦する試合での出場はホーム・アウェイ関係なく出場しない契約を結ぶのが一般的だというイメージから目を引きましたが、名古屋グランパスはユンカーがメンバー入り。もしかすると、ACLを想定して「ザ・ストライカー」との対戦も視野に入れた契約だったのでは・・・?というのはうがった見方かもしれませんが。(Jリーグの日程発表が1/20だったから、それは無さそうですが)
浦和のスタメンはスコルジャ監督がACLに向けての連携醸成のために固定している、と言っていた通り見慣れたメンバーが並びます。
メンバーが固定された効果なのか、名古屋のビルドアップ局面にせよトランジション局面にせよ、4方向のうち2方向に制限をかけることによって名古屋の進行方向をコントロール出来ていたように見えますし、それがかなわなかった場合はチャンスを作られていたようにも思えます。9分ごろの永井のミドルに繋がった場面なんかは分かりやすいかと思いますが進行方向と左右のどちらかを押さえられていない当たり方では制限がかかりにくいため、相手のサポートが十分だった場合に深くまで侵入、もしくはバイタルで前を向かれることになります。そして、外に誘導するプレスルートを採用している以上はサイドバック・サイドハーフ・中盤の3人の挙動が状況に応じて構造を維持できるかが勝負となるかと思います。
14分ごろの名古屋陣地での振る舞いは大久保の反省点となり得る場面ですが、構造を維持できるだけのリソースが不足している場面でどう振舞わないといけないか、の良いケーススタディになるんじゃないでしょうか。
30分ごろにカウンターを受けた際の振る舞いも、酒井宏樹が中に絞ってボールホルダーへの状況を作ろうとダッシュした場面に合わせて伊藤敦樹が外に向かってフルスプリントで間に合う事が出来るのかどうかで導ける盤面が変わってくると思うので、頑張って欲しいなと思ったりも。もともとの最高速度がそれほど上がらないから中のスペースを埋めに戻ったのかもしれませんが。

リーグ第8節のコンサドーレ札幌戦では、個人的にACL前の総仕上げとして試金石になる試合だろうな、と思っていました。
というのも、コンサドーレが守備時にマンツーマン気味に当たってくることから、それぞれ個人に与えられたスペースや時間がこれまでより相対的に少ない状況でのプレーを強いられるだろう、球際の駆け引きが試されるだろう、という想定からでしたがその目論見は興梠がDOGSOを誘発してコンサドーレの人数が1人少なくなったことで泡となって消えてしまいました。
試合展開としては酒井宏樹の負傷によって左に荻原、右に明本という配置となりましたが、これまでの試合とは様相が変わりコンサドーレが人を基準にした守備を見せることで反転した際には浦和の守備は位置が必然的に人基準のような配置を強いられることから苦労する場面もありましたが、16分ごろの荻原のシュートの場面のようにカウンタープレスからポジティブトランジションを迎える事が出来れば・・・という場面も。両軍の人数が同数だった時間帯ではトランジション時にどう振舞うか、という部分で経験と手ごたえを得つつ時間を進める事が出来ていたように思えます。
コンサドーレに退場者が出てからは浦和が押し込む場面が増えますが、人数過多となったことで逆に攻めあぐねる事に。前半終了間際にショルツが見せたキャリーからの盤面にプラスワンを与える振る舞いは後半に入っても何回か試行していましたが、コンサドーレが矢印を前に向けたところで迎撃からトランジションを迎えた事で陣形が整う前に抜け切ったことで先制点が生まれます。
コンサドーレが反撃を期して中島大嘉を投入して前へのベクトルを強める姿勢を見せた事が裏目に出たとも言えますが、ボールを握られ続けてコンサドーレの守備が窒息しそうになっていた事もあるだろうとも思います。その様は、まさに攻城兵器で叩き壊された趣もあります。
その後はオフサイド判定となったものの関根のゴール(幻)を含めば4ゴールをたたき込むことでスコア上は圧勝でしたが内容面では課題が数多く見られた試合となりました。

ルヴァン第4節の湘南戦では、おそらくACL前の最終選考な趣のあるスタメンのメンツでした。その意識があったのかどうかは分かりませんが、浦和が主導権を握るための一つのカギをなっていた前線のプレスルートは影を潜め、中央へのパスルートを意識しつつトランジションを狙う趣。失点シーンは中央へのパスをカットしたトランジションでのミスからカウンタープレスの配置を復元できなかったことで簡単に前進され、制限も無かった事から左右に振られたことが原因。これはモーベルグの課題(のように見えていた)でもあるプレスバックなどのルートも気になる場面でしたが、ここでは即時撤退を選択した馬渡の挙動が決定的だったように思います。酒井宏樹なら、という個人への依存をするような仕組みではなく、構造としてボールホルダーに対して制限を設ける意図をもってプレーしてもらいたいところでした。
個人的には、モーベルグはこの試合でコンディションの戻りも悪くないように思えましたし、もう少しプレーテンポとコンディションがかみ合えばACLでの戦いで期待できる武器となるのでは・・・という予感を仄かに感じていました。
そして、ホセ・カンテ。守備時の動きは緩く、攻撃的な守備を行いたい局面では使えないだろう、という振る舞いではありましたがボールを収める時の駆け引きはともかく割とルーズな位置にあるボールもぬるっと巻き取る腰下の柔らかさもあり、プレー集を見た時の「あ、ACL専用機だ」という印象そのままのプレーぶりでした。

リーグ第9節の川崎F戦。早くも今シーズン2回目の対戦となりましたが、ルヴァンカップでの大戦時とはメンバーも状況も違います。浦和はベストメンバーと比較して両サイドバックが違うだけ。それでも序盤は誘導した先での追い込むまでの形作りの安定感はルヴァンカップのメンバーと比較しても段違いという振る舞いを見せます。
ただ、41分ごろの興梠のファーストプレスから追い込みかけた後に人数過多になってしまった場面は非常にもったいなかったように思います。この時、伊藤敦樹がキーパーへのプレスに向かった後にボールが流れたサイドへポジションを移してシミッチへのチェックに動いた場面、関根へのスイッチを想定しただろう挙動ですぐに放してしまったのですが、関根はそのままサイドの裏のケアへ、伊藤敦樹は瀬古へのチェックに向かいますが、そこには岩尾がチェックに入っており、という状況で結果としてシミッチへボールを逃がされて川崎Fに悠々と前進を許すことになってしまいました。
この辺は囲う事で選択肢を奪うのか、人に当たる事で選択肢を奪うのかの整理をしながらきっちりやり切ってもらいたいところだなと思います。
攻撃面では小泉が気になったのですが、オフサイドにかかったり興梠のシュートの場面で漫然と走り込んでマークを引き連れて壁にしてしまったりと少し冷静にと言うか、自分を美味しいポジションに持ってくるタイミングを考えた方が良いのでは、というプレーもありましたが、ビルドアップを助けに降りる場面以外では中盤での振る舞いはサポートとの関係性も良かったように思えますし、ビルドアップ時にバックラインが膠着している様相でも無理に助けに行かないでも良いんだろうな・・・と思いながら見ていました。
いやしかし、上福元との相性が悪すぎでしょ・・・というのはボヤキです。

そして、ACL決勝。

第1戦にしても第2戦にしても、多くの人が非常に多くのコメントを残しているので割愛したいと思いますが、今シーズンの流れを見ていて守備時にやろうとしていること、表現できていた事を実直にやり続けた結果として引き寄せる事が出来た優勝だったと思います。
もっと積極的な守備から主導権をバチバチ争うような試合が出来れば最高だったとは思いますが、スコルジャ監督が試合後会見で言っていた通り、チャレンジした結果としてうまく表現できたかというと、川崎F戦でも見せたような守備時のアタックに無駄がある振る舞いが頻度高く出てしまう状況では難しいどころか大惨事を引き起こすことになっていたのは間違いがないと思いますし、現時点で浦和レッズとしてストラクチャ、構造を維持しながら戦える限界点があの2試合だった、と言えると思います。

スコルジャ監督が就任してからの今シーズンは少しずつ戦力の棚卸をしつつ守備の構造を整えて、構造が破綻しないバランスを維持することに腐心していたように思えます。その上でルヴァンカップではプラスのエッセンスとなる個性を探しながら、結果として興梠や早川、関根がスタメンやベンチ入りメンバーとして置き換えられたという流れになるのではないかと。
その上で対戦相手の傾向も対ACLを想定した時に(おおむね)理想的な並びだったことも奏功したんだろうな、と今となっては思えます。
アグレッシブな振る舞いをぶつける試金石としてFC東京と横浜FMはうってつけでしたでしょうし、その後の対戦相手の個性や基本配置も幅広く、最終的には個人半径での振る舞いが試されるコンサドーレ札幌戦と個人技術の高さからプレスに行く際のタイミングがシビアになる川崎F戦が並び、ACLの戦いへと向かう事が出来たわけです。

果たして、優勝という結果を手にした浦和レッズは改めてJリーグの戦いへと身を投じます。
アジア王者として、非常に過酷な連戦が待っていますが次のサガン鳥栖戦でどのような振る舞いを見せてくれるか、非常に楽しみです。(ここを書いている時にはすでに結果を知っていますが・・・強い気持ち。)


さいごに

ACL決勝の試合後会見でスコルジャ監督はACLを一つの区切りとして新しいチャレンジに向かう事を明言しました。
より攻撃的に、と。
この言葉を見た時に、自然と思い浮かべたのがシーズン開幕直後の2試合でした。今ほど守備の構造が固まっておらず、しかもトランジション時に狙った構造を引き寄せるだけのイメージが固まっていなかったあの挙動が、より整然として精度高いプレスルートを描くことが出来たらどれほど美しいものになるのか、と期待感が膨れ上がったのを覚えています。

ACLでの成功体験が足を引っ張るのでは、という見解もありましたがおそらくそうはならないでしょう。Jリーグで「強者」としての戦いを目指すのなら、ACLで感じた基準を持ち帰って、より精度高く、より強く戦わなければならないのは自明だからです。
ACLの成功体験が浦和レッズの選手の中に残るとしたら、影響を与えるとしたら、小泉の言葉がひとつの理想になるのかもしれないな、と思うのです。
小泉がコメントで言っていた「優勝できたという事実が(中略)心にお守りがある感じ」という言葉。
「お守り」、英語で「charm」という単語は語源を辿れば歌や詠唱・儀式を指すラテン語のカルメン(carmen)という言葉なんだそう。
今回ACL決勝第2戦で埼玉スタジアムが、浦和レッズのサポーターの方々が見せた光景が、一種の呪術的装置として見えた僕の主観と勝手に結びついているといえばそれまでなのですが、ACLを優勝という最高の結果で終える事が出来たという「お守り」は、間違いなく埼玉スタジアムに響き渡ったサポーターの声とともにある、と思うのです。

ACLが終わったいま、これから浦和レッズが目指す「より攻撃的に」という姿勢を貫こうとした時には間違いなく困難が待ち構えているはずですが、胸の中にcarmenを、スタジアムで共に戦うサポーターだけでなくチームが抱き続けて、その力が薄れる前に成功体験を共に味わうことが出来て、目指すべきところへ加速し続ける事が出来たら最高だな、と思うわけです。




そして、鳥栖戦を強い気持ちで見返そうと思います。
明日当たり・・・(;´Д`)

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