「ずーっとずっと大好きだよ」
ハンス・ウィルヘルム作絵の本作は、小学1年生の国語の教科書に載っているのでご存知のかたも多いと思います。私は自分の教科書には採用されていませんでしたが、弟の教科書で知りました。
少年が愛犬の死を通して、生きているうちに誰かに愛を注ぐことの大切さを伝えてくれる素晴らしい作品だと思います。
実家で暮らしていたころ、某テレビ番組で、本作をテーマに「深いか」「深くないか」出演者が議論していました。元々バラエティ番組は苦手で、今ではテレビは殆ど観ませんが、実家が常にテレビをつけている家庭だったので、その日もなんとなくついていたその番組を観ていました。
そのうちに出演者のひとりが「最後、少年が泣かなかったことが納得いかない」と主張し、他の出演者のかたも大半が同意していました。この絵本は「深くない」と。
私はずっとモヤモヤしていました。確かに、実際に愛する存在が亡くなったとき、涙を流さずに居られるか?どんなに常日頃から愛していると伝えていたとしても、後悔しないほど伝え切るなんてことはあるのだろうか?と思うことはあります。けれど本作が伝えたいのはそこではなくて、少年が泣いたか泣かなかったということよりも、いまあなたが、あなたの愛する人に、愛する存在に、「ずーっとずっと大好きだよ」と伝えられていますか?ということだと思うのです。少年が泣かなかったのは、いたずらに死を嘆いたり、後悔しなかったことを顕しているだけで、実際に少年が泣いたかどうかについて議論するのは、あまり意味のないことのように思ったのです。
私たちが故人に対してできることは、思い偲ぶことだけです。どんなに泣いても後悔しても、故人はよみがえりません。だから、生前から「ずーっとずっと大好きだよ」と伝えることが、愛を注ぐことが大切なんだと思います。
こんな風に、些細なことでも深く考えてしまうタイプなので、テレビの視聴は向いてない、、というか疲れてしまうのです。そしていつまでもそのときの思考を、覚えていて、何かのきっかけで鮮明に思い出すのです。
今日もふと、そういえばあのとき...と記憶がよみがえったのでここに記してみました。
ここでは、こんな風に取り止めもない記憶や思考の欠片、武者修行のことなどを書いていきたいと思っています。
もし何か共感、共鳴するものがあったら、どうぞ今後とも、お付き合いいただけると幸甚です。
とろんぼにっく〄