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デジタル・ミニマリスト

はじめに

『デジタル・ミニマリスト』という本を見つけた。サブタイトルの「本当に大切なことに集中する」というフレーズが琴線に触れた。これがこの本を読むきっかけとなった。

この本では多くのデジタルテクノロジーを使うことによる弊害と対策について書かれている。特に問題視しているのは、いつでもどこでもネットに接続されている「スマホ」と、人々を常時繋げている「SNS」の弊害である。世の中にスマホが普及したことにより近年問題となっている「ネット依存」のことを指している。ネット依存になると自分の大切な時間を失うだけでなく、ひいては心と体の健康を脅かす可能性がある。

電車に乗ると高齢者を除き、ほぼ9割以上の人がスマホをいじっている。食事中やトイレでもスマホを使う人がいるようだ。そして徒歩で移動中の「歩きスマホ」、車を運転中の「ながらスマホ」という社会問題も生まれている。

自分はスマホをほとんど使わないので「ネット依存」は感じていない。それでも生活の中にデジタル機器が増えてきた。最近になってアナログの大切さに気づき、「デジタル依存」にならないよう意識するようになった。この本を読んだことを機に「ネット依存」と合わせ「デジタル依存」の観点からも現在の自分の生活を再確認した。

ネット依存

SNS

自分も以前はSNSを使っていた。Twitterは自分の投稿に対して他者からの評価や支持が気になり度々チェックしてしまう。そんな自分が嫌になり3年前にやめた。LINEはつながり疲れを感じるようになり今年3月にやめた。以前は家族との連絡用にLINEを使っていた。家族との連絡手段は最低限残す必要があるのでApple純正のメッセージアプリを使うようになった。

YouTube

自宅にいる時はiMacを使っている時間が長い。日々の記録やメモの整理、ブログやnote記事を書くことについては能動的な作業なので多くの時間を使っても良いと思っている。しかし受動的なニュースチェックやYouTube動画の視聴については問題を感じている。特にYouTubeは関連動画が次々と表示されるので延々と見続けてしまう。今日からYouTube動画の視聴は夕食後の1時間だけにした。

通知

iOS18でiPhoneがiMacにミラーリングできるようになったことで、iPhoneからの通知をiMacで受けるように設定していた。iMacを使っている時にiPhoneからの通知が多くて気になっていた。特にニュースアプリと天気アプリの通知の数が多い。この機会にiPhoneとiMacの通知を最低限のものだけに見直した。

いいね

noteにもSNSの「いいね」に相当する「スキ」がある。noteは自分の思考や行動の記録を整理するために使っているが「スキ」をもらうと自分の投稿に対して承認欲求を感じるようになってしまった。これではTwitterの二の舞になる。この機会に「スキ」のメール通知を受け取らないようにした。

デジタル依存

部屋

「デジタル・デトックス」という言葉を最近知ったが、以前からデジタルの負の側面に気が付いていた。自分は「デジタル・デトックス」の一時的にデジタル環境から少し離れる方法ではなく、部屋をデジタルエリアとアナログエリアに分けて、部屋の中でデジタルとアナログのバランスを取っている。

デジタルエリアではiMacを使っている。このエリアにはスマートプラグとスマートランプがあり、電源と照度をスケジュール設定で制御させている。スケジュール外の任意の制御はApple Watchで行なっている。

アナログエリアでは主に、紙の本で読書、紙のノートと万年筆でメモ書き、そして食事に使っている。このエリアを使うときはBGMを流さず静寂な環境で自分と向き合うことにしている。座卓上のテーブルランプの電源は、以前はスマートランプや赤外線リモコン制御のコンセントを使っていたこともあるが、現在は純粋なテーブルランプに戻して紐を引くスイッチにレトロな癒しを感じている。

スマートロック

玄関の鍵にスマートロックを使っている。施錠はオートロックに設定して、開錠はApple Watchで行なっている。外出時は開錠の15秒後に動作するように設定したオートロックの音を玄関先で確認する。スマートロックもApple Watchも電子機器なので機器のトラブルが発生すれば家に入れなくなる。そのリスクを考慮してリアル鍵を持ち歩いている。ただスマートロックを使い始めてから5年以上経つが、これまで一度も機器のトラブルはなかった。

オートロックの施錠待ちとApple Watchの開錠、そしてリアル鍵の携行が果たして便利なのか疑問を感じている。テクノロジーに振り回されているのではないだろうか。

デジタル・ミニマリズム

ミニマリズムの概念は「モノは少ないほど豊かになれる」であるが、デジタル・ミニマリズムについても同様の考え方である。

「デジタルツールは少ないほど豊かになれる」

デジタル・ミニマリズムは自分の価値観に基づいたテクノロジー利用に関する哲学。テクノロジー過多の時代に、どのツールを利用して、どのように使うべきかという問題を解決していくために必要な哲学である。

デジタル・ミニマリズム
自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準にした厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、ほかのものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学。

『デジタル・ミニマリスト』(Cal Newport, 池田真紀子 訳/早川書房) p48より

新しいテクノロジーを積極的に勉強して体験し、自分にメリットがあるか否か取捨選択を判断していく。自分は新しいテクノロジーに興味がある。またミニマリズムの考え方も好きだ。デジタル・ミニマリズムはまさに自分の目指す方向であると気づいた。

おわりに

今後もデジタル・テクノロジーは進歩していき、新しいテクノロジーが次々と生まれてくるだろう。新しいテクノロジーに振り回されることなく、自分に必要なテクノロジーを見極める能力が必要な時代になっている。自分を見失わないよう新しいテクノロジーを上手に楽しんで行きたい。

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