70代になっても歩ける脚を維持する
はじめに
徒歩圏に関する内閣府の世論調査から、70代以上の歩行能力の実情を確認した。
これまで自分の日常生活の徒歩圏は半径500m圏内だった。運転免許を返納してから、日常生活の徒歩圏は半径3km圏内に変わった。現在の徒歩圏を維持すれば、70代になっても歩き続けられるだろう。
徒歩圏の定義
国土交通省の徒歩圏の定義は以下の通りである。
一般的な徒歩圏
内閣府の世論調査より、普段の生活で歩いて行ける距離(徒歩圏)は、「501m〜1,000m」と答えた人が全体の約4割を占めている。(下図参照)
これは、国土交通省で定義されている一般的な徒歩圏800mと整合が取れている。(800mは、不動産業界で用いられている歩行速度80m/分で、歩行時間をキリの良い10分に設定した距離なのかも)
年齢別の徒歩圏
内閣府の世論調査の年齢別では、普段の生活で歩いて行ける距離は「2,001m以上」と答えた人は20代をピークに30代、40代と減っていき、そこから50代、60代と増えている。そして60代では、1km以下の短い距離から1kmを越える長い距離へ全体にシフトしており、20代の傾向に近い。(下図参照)
これは、50歳前後に健康診断で要注意の結果が出たり、体力の衰えを感じ初めて、ウォーキングなどを始めた人達と、60代で退職後にウォーキングなどを始めた人達の運動の成果であると推察される。
70歳以上の徒歩圏
年齢別の徒歩圏で興味深いのは70歳以上の部分だ。(下図参照)
普段の生活で歩いて行ける距離は「500m」と答えた人が全体の約3割で最も多い。国土交通省が定義している高齢者の徒歩圏500mと整合が取れている。
70歳以上で、普段の生活で歩いて行ける距離は「2,001m以上」と答えた人は、40代の1.5倍であることに驚く。一方で「500m」と答えた人も、30代〜60代の約1.5倍である。健脚の高齢者と歩けない高齢者が二分化していることが見て取れる。
なお、70歳以上で、「その他」「わからない」と答えている人が他の年齢層に比べて顕著に多い。これは、自分だけでは外出できなくなってしまった人や認知症の人などでが多くを占めていると推察される。
四国歩き遍路
2019年、四国歩き遍路で出会ったお遍路さんの中で4人の方と親しくなった。年齢は70代の方が3人と40代の方が1人だった。70代の一人に「最近のご高齢の方は皆さんお元気ですね」と話しかけると、「私は何度もお遍路を歩いているので足は丈夫だが、私の友人は足が弱くなってしまった人が多いよ」と言われていた。健脚の高齢者と歩けない高齢者が二分化しているという内閣府の世論調査結果を裏付けているかのようだ。
コロナ禍を経て運転免許返納
四国お遍路を歩いた翌年からコロナ禍となった。巣篭もりが続き、お遍路を歩いた脚はすっかり衰え、日々の食糧買い出しの外出ですら億劫になってしまった。四国歩き遍路で出会ったお遍路さんのお話しを思い出した。このままでは歩けなくなってしまうのではないだろうかという不安を感じ始めた。そしてコロナ禍3年目から、近隣で少しづつウォーキングを始めた。昨年、コロナ禍が終わるタイミングで、運転免許を返納し、70代に向けて脚を作り直すことを決意した。現在は、自宅から3km歩いて公共交通機関を利用している。
おわりに
四国お遍路で出会った先人達の教えとコロナ禍があったからこそ、改めて脚の大切さに気付くことができた。そして今の自分がある。
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