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12月10日のはなし

この記事は「積読チャンネル非公式 Advent Calendar 2024」の10日目の記事です。昨日の記事はkaraage0703さんの「【2024年版】電子書籍購入数の変遷と積読率の分析」、明日の記事はとーはるさんの記事です。

https://note.com/toruharu_0405/n/nbc5a168c6468

そろそろ最初からちゃんと読んでる人達も師走の慌ただしさに忙殺され脱落してくる人達が出てくる頃だ。
「全部読むぞ!」と意気込んでいる方は骨休めのような気持ちで読んで欲しい。

12月10日のはなし

特定の日付を題材にして、そのまま書名や物語のタイトルになっているものがそこそこある。
「クロノニム」とか「カレンダータイトル」とか「エポニム的命名」とか呼び方は色々あるようだがあんまりしっくり来ない。
例えば「3.11」「8.15」「9.11」などの日付が入るタイトルの本であれば、東日本大震災、終戦記念日、アメリカ同時多発テロに関する本だと大体わかる。

今日、12月10日にも題材にした話がある。
ジョージ・ソーンダーズの短編小説集の表題作に「十二月の十日」という話だ。

このアドベントカレンダー企画の12月10日を書くことに決まってから、書くことが浮かばなかったのでこの話を読んで感想を書こうと思った。

読んだ。
全然分からない…。

Kindle版で50P程度の短編なのだが全然分からない。
翻訳本特有の分かりにくさなのかとも思ったが、訳者は岸本佐知子さんなのでそんなに難しい翻訳をする方でもない。
原著が特殊すぎるというか個人的に苦手なタイプの書き方っぽい。
読んでいれば分かるだろうと、読み進めてたがそのまま何故かハッピーっぽいエンドで終わってしまった。
訳者あとがきの

孤独ないじめられっ子の少年と病に冒されて自殺しようとしている男が偶然に出会い、知らず知らず互いの人生の救い手となる。

「十二月の十日」(Kindle版304ページ)

というのを読んで初めて「そういう話だったのか…」とやっと分かった。
分かったつもりになった。
読んだ人の感想や解説を複数インターネット上で探してみて内容を補完して理解したつもりになって再読を試みた。

全然分からない…。

皆さんの感想を読んでいる限り、一定数感動して泣いてる人や、素晴らしさを唱えてる人がいたので、圧倒的に自分に向いてなかった。

というわけで「十二月の十日」の感想を書く企画は失敗に終わったのである。

また、何故この話のタイトルが「十二月の十日」なのかを調べてもAIに聞いてもさっぱり分からなかった。
AI諸君には「寒い日の話だから。」みたいなよく分からない理由を拝受した。なるほど。

12月10日は「世界人権デー」でもある。
人権尊重のための話なのかと言えば、(訳者あとがきからもわかる通り)違うとは言い難い内容のため世界人権デーに基づいた命名の可能性はある。
いや、そういう事にしたいと思う。

世界人権デーは基本的人権について一人一人が考える日である。
これを読まれた数少ない皆様も少し「人権とは何か」を改めて考えてみていただけたら。
と、それっぽいありきたりな締めの言葉をもって無理やり擱筆としたい。

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