後天的運命について考えてみる。
幸田露伴が運命について書いている。先天論と後天論はいずれも正しいのだという。しかし世に輝きを放つ人は先天的運命を克服し、後天的運命を開拓した人だという。励みになるね。
運命は全く前定して居るものとすることは虚言であります。又全く前定していないと申すのも虚言であります。一半は前定して居ると申して宜しい。然し一半は心掛次第行為次第で善くもなり悪しくもなると申して宜しい。天然自然に定まって居るものを先天的運命と申しますならば、当人の心掛や行為より生ずるのを後天的運命と申しませう。自己の修治によって後天的運命を善きが上にも善くし、或は先天的運命の悪いのを善くして行くのが、真の立派な人と申しますので、歴史の上に光輝を発して居る人の如きは、大抵後天的運命を開拓した人なのであります。(幸田露伴)
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